2026年6月2日から4日間にわたり台湾で開催された「COMPUTEX 2026」では、同国に本社を置き、コンシューマー向け製品やSMB市場で強みをもつSynologyがエンタープライズ市場への攻勢を強めた。最新のストレージ製品やデータ保護ソリューションをはじめ、同社がAI時代にどのような価値を提供していくのか。日本での戦略を含めて、ブースインタビューや講演の様子からひも解く。
COMPUTEXで旗艦製品をお披露目 エンタープライズ市場へと攻勢をかける
2026年6月、台湾・台北で開催された世界有数のテクノロジー見本市「COMPUTEX 2026」。今年のテーマには「AI Together」が掲げられ、出展各社がAIを活用した最新ハードウェアや技術を競うようにアピールしていた。その中で、注目を集めていたブースの一つが、台湾に本社を置くSynologyだ。
同社はこれまで、直感的で扱いやすい「NAS(ネットワーク接続ストレージ)」を提供するベンダーとして、コンシューマーやSMB市場において一定の知名度とシェアを誇ってきた。しかし、今回の展示ブースに足を踏み入れると、従来のSMB向けの製品群だけでなく、エンタープライズ向けのオールフラッシュストレージやランサムウェア対策に特化したデータ保護製品が並んでいた。
NASの専用OS「DiskStation Manager(DSM)」の誕生から20年以上、企業としても25年以上の歴史を築いてきた中、Synologyのプロダクトマーケティングマネージャーであるキャサリン・チャン(Katherine Chiang)氏は、プレス向けイベントで次のように語る。
「DSMは決して立ち止まることなく、ストレージOSから始まり、データ保護、生産性向上、監視、そしてAIオペレーションまでもサポートするプラットフォームとして進化を遂げてきた。これまでに世界中で1400万台以上を出荷し、400エクサバイト以上のデータを管理する、世界で最も強力なオンプレミス・データプラットフォームの一つだ」(チャン氏)
講演では、AI時代に求められる技術スタックを満たしている点も強調した
着実にグローバルでシェアを拡大してきたSynologyが次に見据えるのは、エンタープライズ市場への本格的な展開だ。これまでも段階的にエンタープライズ市場へとアプローチしてきた同社だが、今回のCOMPUTEX 2026では次世代DSMのビジョンとして「AI Ready」と「Enterprise Ready」という2つの明確な柱を掲げた。これは、単に製品スペックを引き上げるだけでなく、「ストレージ」「データ保護」「監視ソリューション」という領域を中心としてミッションクリティカルな要件に応えていくという、エンタープライズ企業へのメッセージだ。
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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
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