全社AI活用率99%のMIXIは、いかにコストを最適化しているのか?CTOが語るインフラ運用戦略
「休日に呼び出されない世界」を目指し、インフラ運用にもAIを積極的に活用
全社AI活用率99%を達成したMIXIは、AI活用にともなうインフラコストの急増にどう応えているのか。同社執行役員CTOの吉野純平氏は、FinOpsの思想をAI領域にも適用し、全員がコスト感覚を持つ重要性を指摘する。外部APIとOSSモデルの自社運用を柔軟に使い分け、コストの可視化とガバナンスの自動化を推進する同社では、セキュリティ分析やオンプレミス環境の管理など、インフラ運用自体にもAIを積極的に活用しているという。2026年6月9日にEnterpriseZine編集部が開催した「EnterpriseZine Day 2026 Summer」にて、その詳細が語られた。
AI時代のインフラ運用は「全員がコスト感覚を」
大量のデータを高速に処理し、高度な自動化を実現するAI技術は、ビジネスの効率化に貢献する一方で、インフラコストの急増や高度なガバナンス管理といった新たな課題を我々に突きつける。多くのITリーダーがパブリッククラウドへの全面移行とコストコントロールの間で模索を続ける中、独自の最適解を導き出そうとしているのがMIXIだ。
「モンスターストライク」や「家族アルバム みてね」など、多様なコミュニケーションサービスを展開する同社は、急変する市場環境に対応するため、インフラ視点での組織変革と技術活用を進めてきた。同社のIT戦略を牽引する同社 執行役員 CTO 開発本部長の吉野純平氏は、インフラエンジニアからキャリアをスタートし、ネットワークやデータセンター、そしてインフラに関わる領域を歩いてきた人物だ。
パブリッククラウドは利便性が高く、俊敏なサービス開発を可能にする一方で、データ通信量や計算資源の消費にともないコストが青天井で膨らむリスクを孕んでいる。特に、生成AI活用が本格化する中で、インフラのコスト管理と投資に対する成果のバランスをどのように維持するべきだろうか。
吉野氏は、従来のクラウド運用で用いられてきたFinOpsの考え方を、AIの利用領域にも適用すべきだと述べる。単にコストを削減するのではなく、「ビジネスの成果を最大化するためにどこへ投資すべきか」という視点をもつことが重要だという考え方だ。このアプローチについて、同氏は講演の中で次のように語る。
「全員がコスト意識をもち、『どんな目的に対していくら使うのか』という判断をして、実際に適切なコスト配分ができているかを確認する。その後にはフィードバックをしながら、“コストの感覚値を全体で揃えていく”ことが大事だと思います」(吉野氏)
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