全社AI活用率99%のMIXIは、いかにコストを最適化しているのか?CTOが語るインフラ運用戦略
「休日に呼び出されない世界」を目指し、インフラ運用にもAIを積極的に活用
外部API+OSSモデルの自社運用を使い分けてAI活用を推進
2025年7月時点でMIXIの全社AI活用率は99%に達しており、ほぼ全社員が日々の業務の中でAIを利用する環境が整えられている。年間累計のAI施策数は1,600件を超え、全社で月間約17,600時間もの業務時間が削減された。この効率化による年間の削減効果は金額換算で約10億円に上る。
具体的には、各部署の業務に特化したAIの組み込みが行われた。開発領域においては、コーディング業務におけるAIのコミット比率がグループ全体で約40%に達し、特定の複数部門では70%を超える実績を叩き出している。また、クリエイティブ領域ではデザインやアート制作のためのプラグインをAIで自作する環境を整備したことで、最大98%の制作時間カットを達成し、500件以上の具体的な活用事例を創出。バックオフィス領域でも、法務における利用規約確認のリードタイムが70%短縮され、経営管理における月次管理会計業務の約80%が自動化されるなど、各フェーズでの課題を次々とクリアしていった。
これらの膨大なAI活用を支えるインフラ運用として、「外部のAPIサービスと、一般に公開されているオープンソースソフトウェア(OSS)モデルの自社運用の2種類を使い分ける方法がある」と吉野氏は語る。
基本的には外部ベンダーのAPI利用を主軸とし、その周辺ツールを含めたエコシステム全体の評価に基づいて最適なモデルを選定。その一方で、特定の要件やコストの比較対象として、公開されているOSSモデルを自社のマシンや特定のクラウド環境にホスティングして運用する手法も並行して実施する。
自社運用モデルは、外部APIの最新モデルに比べて性能面で劣る場合があるものの、インフラの設備を自前で持つかホスティングサービスを利用するかによって料金モデルを最適化できる利点がある。AIに処理させるタスクの中身や要求されるセキュリティレベル、そしてコストのバランスを評価し、どのモデルをどこに配置して動かすかを中立的に判断する必要があるとのことだ。
また、AI時代の今、インフラのガバナンスとコストコントロール面も多くの企業にとって気にすべきポイントだ。この点に関しては、発生したコストの詳細を可視化し、利用者自身と組織全体がそれをリアルタイムに認知できる仕組みをつくる必要があるという。
具体的には、大枠でのアロケーション(予算やリソースの割り当て)をあらかじめ策定し、実際の利用実績との間にギャップがないか自動で検証。確認作業そのものに過度なコストをかけては本末転倒であるため、業務のアウトプットとコストデータをシステム的に紐付け、ガバナンスを効かせるサイクルを短期間で回す。これにより、当初の想定と異なる領域に過大なコストが消費されるリスクを未然に防ぎ、成果を最大化するためのリソース配分を実現できる。
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