上野グループホールディングスは、投資管理および経営計画業務の高度化に向け、Workdayの経営管理プラットフォーム「Workday Adaptive Planning」を採用。Shearwater Japanが導入支援を開始した。
上野グループホールディングスでは、事業領域の拡大や投資案件の多様化にともない、グループ横断で投資案件を比較・検討し、将来の財務影響をより精微に把握する仕組みの重要性が高まっていたという。
経営管理における課題
- 中期経営計画、投資計画、資金計画、事業別の収益性・資本効率管理などの経営情報をより統合的に把握する必要性が高まっていた
- 投資案件が将来の収益性、財務の健全性、資金計画に与える影響をグループ横断で可視化・シミュレーションする仕組みの高度化が求められていた
- 新規事業分野やM&Aを含む投資機会の多様化にともない、複数の投資案件を共通の視点で比較し、優先順位を検討する重要性が増していた
- 経営環境の変化に迅速に対応するため、経営データの更新・集計・分析プロセスを標準化し、意思決定を支える基盤を整備することが課題となっていた
上記の結果、グループとしてどの投資案件を優先すべきか、最新の財務状況からどの程度まで投資余力があるのかを迅速に整理・精査することに工数がかかり、持続的成長と財務強化の両立をさらに高い水準で実現する必要があったとしている。
今後も投資案件の増加や事業規模の拡大が見込まれるため、投資判断を含めた経営管理全体のデジタル化を検討することになったとのことだ。
経営管理における改善論点
- 投資案件に関する情報を一元的に管理し、複数案件を共通の視点で比較・検討できる環境を整備する
- 投資判断が将来の収益性、財務健全性、資金計画に与える影響を可視化し、より精度の高い意思決定を支える
- グループ各社の計画情報と経営指標を段階的に連携させ、将来的な事業計画・予実管理の高度化につなげる
- 経営情報の更新・集計・分析プロセスを標準化し、関係部門が必要な情報を適切に活用できる基盤を構築する
事業環境の変化や新規事業・M&Aなどの成長機会に応じて、柔軟に活用範囲を拡張できる経営管理基盤を目指すと述べている。
Adaptive Planning採用の経緯
管理会計システムの導入検討は、2025年度の秋口に本格的な検討がスタートしたとのこと。事業拡大にともない、新規分野への投資やM&A案件が増加する一方、既存の投資案件についても物価上昇などにより投資規模が拡大しており、既存の運用では件数・金額の両面で対応が難しくなってきたことが、検討を後押しした背景にあるとしている。
検討にあたっては、Shearwater Japanおよびワークデイと相談を重ねながら、「実現したいこと」を段階的に整理。デモンストレーションを通じて理想のイメージに近づけていくプロセスを経て、約3ヵ月の検討期間ののちにWorkday Adaptive Planningの採用を決定したという。
管理会計ツールの選定基準
- 価格のみで判断するのではなく、自社の経営課題に対してどれだけ実効性のある経営管理基盤を構築できるかを重視
- 初期導入では投資管理・意思決定支援にフォーカスしつつ、将来的には各社の計画モデル、連結・財務指標への接続、セグメント分析、予実管理へと段階的に活用範囲を拡張できる柔軟性
- 複数の投資案件を同一フォーマットで比較し、B/S・キャッシュフローへの影響まで可視化できること
- スプレッドシートをオンライン化しただけのツールの多くがP/L集計に特化しているのに対し、Workday Adaptive PlanningはB/Sやキャッシュフローの残高計算ロジックにも対応し、財務体質の改善までを見据えた設計であること
- 事業再編や新規事業立ち上げなど、変化に応じて自社のノウハウでシステムを柔軟に修正・拡張できること
- デモンストレーションを通じて、目指す姿に近いダッシュボードやレポート機能を実際に確認できたこと
社内の合意形成にあたっては、Workday Adaptive Planningの導入を単なるシステム導入ではなく、「グループ全体の持続的成長と財務健全性を両立するための経営基盤構築」として位置づけたことが有効に働いたとのことだ。
具体的には、次のような段階的な導入イメージを示すことで、導入効果や将来の活用イメージを財務部、DX推進部門、IT部門、事業管理部門など、グループホールディングスの主要部門間で共有しやすくなったとしている。
- Phase1:投資案件の横断的な比較・優先順位付け
- Phase2:各社の中期経営計画・事業計画のモデル化と、連結・主要財務指標への接続
- Phase3:連結視点への拡張および予実管理への展開
今後の展望
今後もWorkday Adaptive Planningの活用範囲を段階的に拡張していく方針だという。
- ステップ1:投資を実行した場合/しなかった場合の損益や財務指標への影響をグループ全体で可視化し、迅速な意思決定を可能にする
- ステップ2:投資管理モデルをベースに、各社の中期経営計画や需要計画をモデル化し、主要なドライバーを動かすことで将来変化を可視化できる状態を構築する
- ステップ3:グループ・各社双方での様々な分析にシステムを活用し、計画精度の継続的な向上を図る
最終的には、グループ各社の予実管理について、戦略立案から実行・検証までを一気通貫で管理できる状態を目指しているとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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