日本生産性本部のイノベーション会議は12月9日、「新政権への期待とDXに関する緊急アンケート」調査を行い、速報結果を発表した。
調査は10月31日の衆議院議員選挙前後の10月18日から11月8日まで、上場企業3,787社を対象に実施。143社から有効回答を得たという。今後、詳細な分析を行ったうえで2022年2月に提言として取りまとめる予定だとしている。
調査結果(速報版)の主な特徴
新政権への期待:デジタル化推進への期待高く
コロナ対策以外で、新政権に力を入れてほしい経済政策(複数選択)は「デジタル化の推進」66.4%、「規制改革」33.6%という結果になった。
自社にとっての新政権への期待(複数選択)は「デジタル関連投資支援」65.0%、「規制改革」48.3%、「企業の研究開発支援」42.0%。経済成長に不可欠な生産性向上のために政府がすべきことも「デジタル化の推進」77.6%、「規制改革」58.0%となっている。多くの企業が経済政策、経営環境、生産性向上のいずれにおいてもデジタル化推進と規制緩和を期待していることがわかったという。
企業のDXへの取り組み:目的は「業務効率化・コスト削減」が最多
DXに取り組んでいる企業(「全社を挙げて取り組んでいる」(63.6%)「部門によっては取り組んでいる」(23.8%)の計)は87.4%。その開始時期は「2010年代後半」が44.0%で「2020年以降」が40.0%という結果になっている。
自社のDXの目的(複数選択)は「業務効率化・コスト削減」が93.6%。そのうち3分の2(65.6%)の企業で成果が出ているという。DXを進めるうえでの課題について、DXに必要な人材が「量的に不足」「質的に不足」がいずれも84.9%だった。
DXで使用するデータは「顧客の属性や購買・来店などの履歴情報」(62.4%)「生産・運輸などの工程や事故などの情報」(59.2%)などが多く、その活用先は「生産・運輸などの工程やプロセスの改善」(60.0%)「製品やサービスの開発」(58.4%)「マーケティング・ブランド戦略」(56.0%)が多かったとしている。
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