SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

Events & Seminars(AD)

Sunを融合した新生Oracleのクラウド戦略

去る6月30日、日本オラクルは東京青山ダイヤモンドホールにて「Oracle Cloud Computing Summit - Server & Storage Day Tokyo」を開催した。このイベントは、日本において6月1日にサン・マイクロシステムズとの統合を完了して以来、2社が融合したソリューションを発表する最初の場となった。

Sunとの融合で統合クラウドソリューションを提供できる唯一のベンダーに

冒頭、あいさつを行った日本オラクル専務執行役員 システム事業統括 兼 事業推進統括 大塚 俊彦氏は「融合によりアプリケーションからRISCチップに至るすべてのスタックを、統合的に提供できるようになった」と言う。そして、新しいコーポレートメッセージである「SOFTWARE. HARDWARE. COMPLETE.」を紹介し、フルスタックで顧客の要望に応えられるようになったことが強調された。

日本オラクル
 常務執行役員  
クラウド&EA 統括本部長
三澤智光氏
日本オラクル 常務執行役員 クラウド&EA 統括本部長 三澤智光氏

「今回のSunとの融合は、クラウドコンピューティングの世界において極めて有効なもの」と語るのは、キーノートセッションを担当した日本オラクル 常務執行役員 クラウド&EA 統括本部長の三澤智光氏。企業統合で提供できる製品やサービスのラインナップが増えただけでなく、両社技術を融合することで、より価値の高い製品、サービスを提供できるようになったと言う。「融合で新しいコンピューティングが生まれ、Oracleはその新しいコンピューティングのための戦略を、これからどんどん打ち出していく」と三澤氏。

氏が特に強調するのが、Sunの統合によりクラウドコンピューティングのIaaSスタックまでも提供できるようになったこと。そして、従来のOracleが続けてきたグリッドコンピューティングで実現するPaaS、この2つを統合的に提供できるベンダーは、世界にOracleただ1つだけだと主張する。

新生OracleではIaaSからPaaSまでを提供

ブレークアウトセッションでは、クラウドサービストラック、クラウドテノロジートラックの2つに分かれ、最新のOracleのクラウドコンピューティング戦略について紹介が行われた。テクノロジートラックの1つでは、システム事業統括本部 システム営業統括本部 統括本部長の野々上 仁氏が、「サンとオラクルの統合がもたらすクラウド環境の進化 - チップからデスクトップまで」と題し、新生Oracleのクラウド戦略について解説を行った。

日本オラクル
 システム事業統括本部  
システム営業統括本部
野々上 仁氏
日本オラクル システム事業統括本部 システム営業統括本部 統括本部長 野々上 仁氏

ここ最近は、いままでITに詳しくなかった経営者にもクラウドへの関心が高まっている。クラウドには迅速性、伸縮性というメリットがある一方、データのガバナンス確保の難しさ、性能に関する課題などもある。多くの経営者はメリットから興味は持つものの、課題面から躊躇する現状もある。両方の要件を満たすのが、現状ではプライベートクラウドだと野々上氏は説明する。

「企業にはパブリックで利用することでメリットが享受できるアプリケーションもあれば、プライベートで利用したいものもある。まずは企業内のサイロ化したシステムをグリッドで共通基盤化して集約し、そこからセルフサービス化、ポリシーベースのリソース管理、従量課金の仕組みなどでプライベートクラウドを実現する。最終的には、パブリックとプライベート双方を必要に応じ適宜利用する、ハイブリッドなクラウド環境を実現していくことになる」と野々上氏。そして、クラウド環境へは一気に移行するのではなく、既存資産を生かし徐々に移行するのが得策だと指摘する。

また、クラウドの実現には仮想化技術は重要だが、仮想化だけで実現できるわけではない。OracleはSunとの統合でサーバーやネットワークの仮想化技術を得て、クラウドのIaaSを提供できるようになった。IaaSの上には、アプリケーション、データベース、ストレージのグリッド技術でPaaSを提供できる。さらに、クラウド上で稼働するアプリケーションを連携するSOA、ID管理やアクセスコントロールなど、企業システムを動かすのに必要なものすべてを提供できるのがOracleなのだ。

「ここで重要なのは、IaaSからPaaSに至るまでを統一的に管理できること」と野々上氏は指摘する。OracleではPaaS部分はOracle Enterprise Manager(OEM)で統一的に管理してきた。加え、Sunが提供してきたインフラ部分の統合管理ツールOps Centerを今回OEMに融合し、クラウド環境すべての統一的な管理を実現している。このIaaSからPaaSまでを統合的に管理できる機能は、Oracleの提供するクラウドの大きな優位性となっている。

次のページ
クラウドに必要な仮想化ソリューションを大きく拡大

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
Events & Seminars連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/2423 2010/08/31 15:01

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング