業務環境を向上させる管理ツールの探求
もっと楽に管理したい、少しでも早く不具合の原因を突き止めたい。筆者が管理業務やヘルプデスクを行う場合、常々、作業の効率化や簡略化を考え、より良いツールを求めて色々なメーリングリストやサイトの情報にアンテナを張り巡らせています。
そこで、今回はpatchmanagement.orgメーリングリストで紹介されていた「WSUS Error Code Lookup Tool」を取り上げようと思います。
WSUS Error Code Lookup Toolでできること
「WSUS Error Code Lookup Tool」では、次の4つのことを行うことができます。
- Windows Updateを行った際に作成されるWindowsUpdate.logファイルの分析
- WindowsUpdate.logに含まれるエラー番号の特定(16進数、10進数での表示)
- 分析したエラー番号のエラー文字列と説明の表示
- 「エラー文字列」+「Windows Update」をGoogleで検索
自身が管理しているユーザから「Windows Updateでエラーが出た」と聞いた場合、皆さんはまず表示されるエラー番号を確認するかと思います。しかし、エラーが表示されたウィンドウを表示した状況が全てではありませんし、エラー番号を書きとめておいてくれるというのはあくまで期待に過ぎません。
確かにこのとき、「Windowsupdate.log」ファイルの解釈(Microsoft技術情報 文書番号 902093)を参考に「WindowsUpdate.log」を回収して頑張って読む! というのも一つの手段ではありますが、それでは読み終わるまでに時間がかかってしまいますし、あまりスマートではありません。今回は「WSUS Error Code Lookup Tool v1.0」(2007/07/25執筆時点)を使用してWindowsUpdate.logを分析してみましょう。
WSUS Error Code Lookup Toolを使ってみよう
- WSUS Error Code Lookup Tool v1.0はVBSHF.comのWebページから入手できます(以前のバージョンのv0.1も同一の場所に公開されているため注意しましょう)。
- 保存した「WSUS_Error_Codes_v1.zip」を解凍すると、「WSUS_Error_Codes.hta」と「wsus_error_codes.xls」が作成されるので、「WSUS_Error_Codes.hta」を実行してみましょう。
- [Analyze Windows Update log file]タブ下にあるSource file:の[...]をクリックし「WindowsUpdate.log」を選択しましょう。通常「WindowsUpdate.log」は「%windir%\windowsupdate.log」に存在しますが、別途取得した「WindowsUpdate.log」を使用することも可能です。
- ファイルが選択されると、Source file:の横に「WindowsUpdate.log」のパスが表示されるので[Analyze]をクリックし分析を行いましょう。
- 表示された0x8024402cにマウスを重ねると「Search for this particular error(0x8024402c)」と表示されるので、クリックしてみましょう。
- Look Error Codesタブに表示が切り替わり、下図が表示されます。
- 16進数でのエラー番号
- 10進数でのエラー番号
- エラー文字列
- 説明
Errors found in logfile:内に「[2007-06-30,02:57:54:355] 0x8024402c」というエラーが表示されていることが分かります。
左から以下の内容が表示されています。
また、エラー番号をクリックすると、「エラー文字列」+「Windows Update」をGoogleで検索できます。検索結果に表示されるMicrosoftの技術情報や掲示板の内容などを確認することで、問題解決に役立てることができるでしょう。
wsus_error_codes.xlsの補足
「wsus_error_codes.xls」には、「WSUS_Error_Codes.hta」に表示される16進数でのエラー番号やエラー文字列等が含まれています。
しかし、現在リリースされている「WSUS Error Code Lookup Tool v1.0」に同梱の「wsus_error_codes.xls」には、Windows Update Version 6のエラーコードリストすべてが含まれているわけではありません。Windows Update Version 6のエラーコードを追記し、検索対象を日本語にカスタマイズしたものを、筆者が参加しているコミュニティのWebページより入手可能です(ZIPファイル)。ぜひご活用ください。
まとめ
今回の記事はWindows Updateについて記述していますが、もちろんMicrosoft Updateのlog分析にも使用が可能です。
トラブルの原因を突き止めるために、ユーザへのヒアリングを行うことも大切ですが、ユーザからのヒアリングができなかった場合に使う手段として活用をしてみてはいかがでしょうか?
また、今後、新しく技術情報に記載されるエラーコードを元に「wsus_error_codes.xls」を自身でカスタマイズすることも可能ですので、ぜひ一度「wsus_error_codes.xls」を開いてみてください。