良品計画は、国内約400店舗展開している無印良品の店舗、オンラインストアの「無印良品 ネットストア」スマートフォン向けアプリ「MUJI passport」、公式Twitterなどによって、利用者から日々集まる膨大なデータを分析・活用するビッグデータ活用基盤として、日本マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」と「Microsoft Power BI」を採用し、デジタルマーケティングプラットフォームの強化に取り組んでいる。
良品計画は、「MUJI DIGITAL Marketing 3.0」の名称で、顧客と良品計画とのより良い関係を構築するためのデジタルマーケティング施策を推進、新しい買い物体験ができる無料のスマートフォンアプリとして2013年5月に「MUJI passport」の提供を開始した。
「MUJI passport」は、店舗やネットストアでの買い物や来店時のチェックインで貯まる「MUJIマイル」や、欲しい商品の店舗在庫を確認できる「ショッピングガイド機能」などが高く評価され、351万人(2015年3月時点)が利用する、国内有数の専門店アプリとなっている。
しかし、良品計画では、「MUJI passport」、無印良品の店舗、オンラインストア、SNSなどに日々蓄積されるビッグデータをさらに有効活用していくためには次のような課題があることを認識していたという。
・データ活用をデータサイエンティストのような専門家だけではなく、店長やエリアマネジャーなど現場の従業員にも開放するためには、使い慣れたMicrosoft Excelのようなユーザーインターフェースが重要であること。
・現場でのデータ活用推進のためには、明細に近いレベルの細かいデータ粒度であっても、数秒~数十秒の短い時間で結果を表示できるシステムが必要であること。
そこで、良品計画では、課題を解決するためのITパートナーとして日本マイクロソフトを選定。日本マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」および「Microsoft Power BI」を利用することで、次のようなかたちでビッグデータ活用を実現した。
・従来の約30分の1の時間でレポートを表示(これまで約5分かかっていたレポートの表示を約10秒で実現)。
・使い慣れたExcelで誰でも最新かつ大量のデータを自由に加工して分析できるようになったことで、社内でデータを参照・活用する機運が高まり、店長、エリアマネジャー、販売部、商品部など現場の部門が、データに基づく迅速な意思決定が可能な環境を実現。
また、今後は次のような効果も期待しているという。
・良品計画のIT部門、Webサービス部門、店舗運営部門、商品開発部門など複数部門が連携してデータを活用できるようになったことで、さらに予測精度の高いマーケティング施策の提供や、お客様向けサービスの改善を、より短時間で実現。
・インターネットと店舗の区別なく、顧客の商品閲覧/検索/購入履歴やクチコミなどをさまざまな角度から分析できるようになったことで、ニーズに合った商品企画・開発や店舗運営を実現。
良品計画では、今後「Microsoft Azure」の機械学習機能「Azure Machine Learning」をマーケティング施策の予測で活用するなど、さまざまなマイクロソフトテクノロジの活用を予定しているという。