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複合機から未来のITプラットフォームへ コニカミノルタの挑戦

2017/03/30 06:00

 3月初め、コニカミノルタのプレスイベントの案内が筆者にも届いた。ベルリンで新事業コンセプトを発表するという。EnterpriseZineの谷川耕一チーフキュレーターはアメリカで取材するため、「行くといい」と暖かく背中を押してくれた。ほぼITしか経験のない筆者がコニカミノルタの取材でドイツに行くなんてと感激しつつも、「企業ITの話題になるだろうか?」という疑問も浮かんだ。しかし、それは取り越し苦労だった。

スマートフォンのように多様なアプリを稼働できる複合機

 コニカミノルタというとかつてはカメラ、今は複合機(プリンタ)のイメージがある。あらためて沿革を見ると、1873年に杉浦六三郎氏が写真と石版材料の取り扱いを開始したのがコニカの創業にあたり、1928年に田嶋一雄氏が日独写真機商店を設立したのがミノルタの創業にあたるという。ともに長い歴史を持ち、写真の世界を発展させてきたコニカとミノルタは2003年に経営統合した。

 ところが2006年、コニカミノルタは写真フィルムとカメラ事業の終了を発表。カメラ事業はデジタル一眼レフの共同開発で提携したソニーにカメラシステムの一部資産を譲渡し、今ではソニーのαに継承されている。

 現在コニカミノルタは世界で200万社の顧客を抱えるグローバル企業だ。連結売上高は1兆317億円。地域別では欧州が最も高く31%、次いで米国が26%、中国やアジアが24%、日本が19%。事業別では複合機や印刷の情報機器事業が約8割、残りはヘルスケア事業と産業用材料・機器事業がある。世界的にはカラー複合機やカラーデジタル印刷機で高いシェアを誇っている。

 ミノルタの創業から縁があるドイツにて、コニカミノルタが新事業を発表するというのは何かのめぐり合わせだろうか。2017年3月23日、コニカミノルタはベルリンで新しい事業コンセプトを発表した。メインは企業向けITプラットフォーム「Workplace Hub」となるものの、これはITサービス事業への本格参入宣言でもある。

 まずは「Workplace Hub」。複合機とサーバーを組み合わせ、オフィスでITサービスを提供するプラットフォームとなる。発表当日は複合機にサーバーを組み込んだ一体型の「Workplace Hub」と、複合機と組み合わせて使うサーバーが披露された。一体型は見た目は複合機そのままだが、サーバーが内蔵されている。サーバー単体型はラックに収納する「Workplace Edge(Rack)」と、スレート型の「Workplace Edge」の2種。

 Workplacehub:複合機にサーバー機能を組み込んだ「Workplace Hub」(画面中央と画面右端)、サーバー機能のみ持つものはラック型(画面左端)とスレート型(左から2つ目)がある
 Workplacehub:複合機にサーバー機能を組み込んだ「Workplace Hub」(画面中央と画面右端)、
サーバー機能のみ持つものはラック型(画面左端)とスレート型(左から2つ目)がある

 発売開始時期は「Workplace Hub」と「Workplace Edge(Rack)」が2017年秋から、スレート型の「Workplace Edge」は2018年春からを予定している。

 ハードウェアで見ると複合機とサーバーの一体型とサーバー単体型と分かれるものの、複合機を通じてオフィスにITプラットフォームを提供するというコンセプトは同じだ。ユーザーは複合機の管理画面からWi-Fi管理、資産管理、ユーザー管理、セキュリティ概観、ストレージとバックアップ設定などを行う。管理画面にはマーケットプレイスもあり、アプリケーションを追加することもできる。将来的には人工知能を駆使したアプリケーションやIoTゲートウェイ機能なども構想にある。

 一見すると複合機にサーバーを付加したものというイメージがあるが、それだけではない。コニカミノルタの関係者によるとイメージとしては「オフィスのスマートフォンを目指している」という。スマートフォンは元々電話機でありながら、様々なアプリを追加して稼働させるプラットフォームとなっている。これと同様に「Workplace Hub」は複合機でありながら、様々なアプリを稼働させるプラットフォームを目指している。iPhoneではApp Store、AndroidではGoogle Playでアプリを入手する感覚で、「Workplace Hub」ではマーケットプレイスからアプリを入手できるような仕組みが提供される。

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