ロックだぜ!小幡社長の行動力―db tech showcase
そんな動きを見せるデータベースの世界で、画期的なイベントを開催しているのがインサイトテクノロジーだろう。先週、秋葉原のUDX GALLERY NEXTで「db tech showcase」というデータベースエンジニア向けのきわめて濃い内容のセミナーイベントを、3日間にもわたり開催した。これは、昨年行った「Inside Out - Database Technology」というイベントをさらに進化させたもので、OracleやSQL Server、MySQLやPostgreSQLだけではなく、今回は日立のHiRDB、富士通のSymfowareなども登場、さらにはMariaDBやInfiniDB、MongoDBにVectorwiseまで登場するという多彩なイベントになった。
このイベントの面白いところは、ベンダーが中心になりアピールしたいことを一方的に企画していないところ。開発者やデータベース管理者が、いま興味を持ちそうなことはどんなことかを考え中身が決められている。そして、インサイトテクノロジーの社長である小幡さんのOracle Ace Directorである人脈などもフルに活かして、世界各国から一流のエンジニアが講師として招集されていることだろう。
そして、このイベントのコンセプトはもちろん、ノリ自体も「熱い」。ルールとか決まり事はなるべく排除し、見たいこと聞きたいことを貪欲に取り入れている感じがした。イベントの中日には、そのもっとも顕著な例であろう出来事にも遭遇した。
セミナー2に日目のお昼から、ベンダー各社が集まり本音でデータベースについて語り合うパネルディスカッションを実施した。そのための事前打ち合わせの際に小幡さんが、パネラーの1人であるSAPの馬場さんに「参加者からSAP HANAについて話を訊きたいとの声がたくさん寄せられているので是非セッションをやってくれないか」と突然依頼。普通なら「そうですね、それでは来年は是非参加させてもらいます」という話になるところ。
しかし、小幡さんの希望は「明日、セミナー枠を確保するから、そこでしゃべって」というものだった。この無謀とも言える依頼に馬場さんもまた、その場で要請を検討、すぐに社内調整を行ったのだ。調整はうまくいき、なんと3日目に急遽SAP HANAのセッションが追加されることになったのだ。一連のやりとりにかかった時間は、ほんの10分ほどだったろうか。このスピード感は素晴らしいし、いまやるべきことの判断とそのための行動は、是非とも見習いたいなと思った。
小幡さんや馬場さんほどフットワークが軽く、かつ貪欲に活動できるかは分からないけれど、DB Onlineでもこれは面白いと感じたことは躊躇せずにどんどん取り上げていきたいと思う。そのためにも、皆さんからの興味深い情報の提供をお待ちしている。