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週刊DBオンライン 谷川耕一

Internet of Everythingの時代がやってくる!/YOSHIKIが語るイノベーション


 前回も紹介したように、秋はIT関連のカンファレンス・イベントが花盛り。そんな中、先週はここでも紹介した「Salesforce Customer Company Tour」に参加してきた。いつも威勢の良いSalesforce.comのCEO マーク・ベニオフ氏が、いったいどんな話をするのかに関心があったから。これまでは、少し毒舌気味にオールドタイプのITベンダーのOracleやMicrosoft、IBM、SAPなどをこき下ろすことも多かったが、今回はそのあたりの話はちょっとお休みという感じだった。これも、6月に発表したOracleとの提携の発表などが、少なからず影響しているのかなぁと深読みしてみたり。で、今回テーマとして取り上げたのは「Internet of Everything」であり、そこから導き出される「顧客のインターネット」だった。

クラウドのトップベンダーから顧客のインターネットを実現する会社に

ベニオフ氏登場
「"Internet of Everything”の時代を迎える」―ベニオフ氏登場

 PCやスマートフォンだけでなく、いまや自動車や家電、自動販売機に至るさまざまな機器がインターネットにつながるようになった。さらには、各種センサーなどもネットにつながり、数多くのデータをビッグデータとして蓄積している。これを、モノのインターネットである"Internet of Things"と表現するのは最近よく見かける。ベニオフ氏は、そこからさらに進んで、いまや”Internet of Everything”の時代を迎えると言う。

 これを裏付けるのが、モバイル環境の急速な拡大、つまりはスマートフォンの爆発的な普及だ。現状までで15億台ほどのスマートフォンが出荷されており、これがすぐに50億台といった数に到達するという。50億という莫大な数のスマートフォンが市場に出れば、さらに低価格化も進んでより多くのスマートフォンが市場に出ていくことになるだろう。そうなれば、地球上のすべての人がインターネットに接続するようになるのも、あながち遠い将来ではないかもしれない。

 これらスマートフォンユーザーは、当然のように何らかのソーシャルネットワークを利用する。これもまた、極めて大きな変化だとベニオフ氏は指摘する。

 「50億の人が、やがてはソーシャルネットワークにつながるようになります。さらに、500億ものすべての『モノ』もクラウドにつながるようになります。これは極めて大きな変化です」(ベニオフ氏)

 500億というすさまじい数がつながる「モノのインターネット」、あるいはソーシャルネットで50億の人がつながりサービスやモノについてつぶやくようになるという世の中の変化を、どう捉えそれに対応したビジネスを企業は行っていけばいいのか。ここで肝心なのは、「つながるすべてのモノの裏には顧客がいます。これ以上に重要なことはありません」とベニオフ氏が言うように、たんにモノがつながるだけでなく、そこにはそのモノを使っている人がいること。そして、ソーシャルネットワークにつぶやきがあるということは、そのつぶやきの言葉を発した顧客が常にいるということ。これらをしっかりと認識し、ビジネスを進めていく必要があるとベニオフ氏は言うのだ。

 このモノやソーシャルネットのつぶやきの裏側にいる顧客に着目したのが「顧客のインターネット」であり、それを活用する企業が、今回のイベントのテーマにもなっている「Customer Company」ということだ。で、Salesforce.comはその「顧客のインターネット」のために何をするのかと言うと、そのためのプラットフォーム「Salesforce Platform」を提供するのだと。

 このSalesforce Platformは、既存のPaaS環境であるForce.comやHeroku、ExactTarget FUELというインフラ部分があり、その上にさまざまなものを接続するためのAPIレイヤー、さらにChatter Mobileアプリケーションのレイヤーが来て、ユーザーの使うアプリケーションがその上に載るという構成となる。これについては、詳細について語られなかったので、おそらく11月18日からサンフランシスコで開催されるDreamforce 2013で明らかになるのではないだろうか。

 今回のベニオフ氏の基調講演を聴いていて感じた変化は、クラウドサービスというカテゴリーでライバルを見つけそれらを凌駕しようとするのではなく、Customer Companyという新たなテーマのためにクラウドなどのテクノロジーを最大限に活用していくことにしたのだなと言うこと。これは、クラウドはあくまでも手段であり、それが目的ではないということだ。

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スペシャルセッションにはあのYOSHIKIが登場

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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