リーガルテックは、航空・宇宙・防衛部品製造に関わる高精度加工や構造技術を、特許・意匠として体系的に保護するAIエージェント搭載の知財支援プラットフォーム「Tokkyo.AI」の業界展開を開始した。
これにより、日本の精密技術を「文書化・差別化・防衛」する戦略的知財化を支援すると述べている。
航空・宇宙・防衛分野で求められる
- ミクロン単位の切削/研削技術
- 軽量・強靭な複合材の組成ノウハウ
- 振動制御・熱耐性を意識した機構設計
といった技術は、日本企業の強みでありながら、現場の暗黙知として属人化し、知財化されていないケースが多数存在するという。
- 国際共同開発での技術流出リスク
- 下請企業の技術が大手OEMの特許に吸収されてしまう構造
- 防衛装備・衛星搭載技術の「誰が保有者か」問題
これらの課題は、「知っているが守れていない」技術の多さに起因しているとのことだ。
Tokkyo AIエージェントが微細加工・構造技術の知財戦略化を実現
Tokkyo.AIは、開発現場にある構造設計・製造条件・素材処理ノウハウなどの技術情報をAIエージェントが解析し、特許出願案・競合比較・差別化ポイントの可視化を支援するシステムだという。
- 特許出願案の自動生成
- 競合比較・差別化ポイントの抽出
- 知財戦略の立案
- 知財部門や経営層へのフィードバック
といった業務を、対話型AIエージェントが24時間支援するとしている。

主な機能
- 加工条件・設計仕様からの請求項案/明細書草案の自動生成
- 海外特許DB照合によるリスク/チャンス技術の抽出
- 契約・共同出願・早期審査等の知財部門支援アドバイス
- 「どの技術をどう守るべきか?」を専門AIエージェントが即時回答
導入例
- 自社のセラミック複合材用加工プロセスを「技術群」として整理・出願方針をAIエージェントが提案
- 同一領域の特許と重複がないかAIエージェントが自動判定し、差別化ポイントを強調
- 国際開発契約の交渉において、ライセンス条項案をAIエージェントが即時生成
導入メリット
- 暗黙知・図面・研究メモに眠る技術をAIエージェントが資産化し、文書として自動保護
- OEM/研究機関との契約交渉での知財強化・交渉力向上
- Tier2〜3企業でも「質問するだけ」で使えるシンプル操作、短期間で活用モデル
今後の展望
今後は、防衛装備庁・JAXA・共同開発企業との連携を見据え、
- Tokkyo.AIでの共同開発IP管理機能
- AI孔明との連携による“技能 × IP”の融合化
- 中堅加工企業・装備開発クラスターへの一括導入支援
を推進していくとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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