JBCCは、サクラクレパスの販売・流通業務を支える基幹システムをクラウド上で刷新したと発表した。新たな基幹システムのもと、サクラクレパスの通販事業の売上高は、2年連続で前年比40%増になったという。
従来の基幹システムはメインフレーム上で40年前に構築したもので、長年の機能追加によるブラックボックス化、ECシステムとの連携・拡張性の限界、COBOL技術者の高齢化に加え、南海トラフ地震を想定したBCP対策など、多くの課題を抱えていたという。基幹システムの刷新に際しては、パッケージ利用とシステム再構築を検討した結果、パッケージでは長期にわたって現行システムに組み込まれた独自機能を支援することが困難だと判明したとのことだ。
JBCCは、サクラクレパスが開発してきたさまざまな独自機能を活かすべく、独自のアジャイル開発手法「JBアジャイル」による基幹システムの再構築を提案。同手法では、要件定義に続き、アジャイル手法を適用することでサクラクレパスの現場担当者を入れて5回の開発サイクルを実行。要件漏れの回避と認識の食い違いを早期に発見・対応できるという。新基幹システムは、サクラクレパスの通販事業、卸事業、メーカー事業の3事業を網羅し、段階的にリリース。ECサイトとのリアルタイムな在庫連携の実現により、通販事業の成長に寄与したという。さらに、基幹システムを含むIT基盤のクラウド移行とセキュリティ対策で可用性を高めるなど、大型基幹システムの構築を支援したとのことだ。
サクラクレパス新基幹システムの特徴
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販売・流通業務を支える大規模基幹システムを超高速開発で構築
- ERPパッケージにない市場に特化した独自機能やグループ間自動連携を活かしてスクラッチ開発で構築。競争力を維持して次の施策へ
- JBCC独自のアジャイル開発手法による超高速開発を適用。最初の要件定義で開発計画を3ステップに分けて最適化、それぞれ5回の開発サイクルを通じて、現場の要望を反映しながら、実業務で使いやすいシステムを実現
- 優先度が高いEC強化施策に資するシステム連携を早期実現、在庫表示のリアルタイム化で販売機会を最大化
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伴走型内製化支援により超高速開発手法・ノウハウを習得、自社主導でグループ企業5社目に展開
- 情報システム部門がJBCCと共同開発を実施。アジャイル開発手法とローコード開発ツールGeneXusのノウハウを蓄積して内製化体制を確立
- グループ展開とともに内製比率を段階的に向上。自社主導で新規開発可能なチームへ進化
- 販売店支援システムの開発が具体化、個客ごとの情報提供・サポートで販売店の利便性向上・関係強化を目指す
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IT基盤をクラウド化、安心のセキュリティでBCP対策を実現。インフラからアプリケーションまでJBCCが一貫支援
- JBCCの運用付きクラウドサービス「EcoOne」により運用管理を省力化、24時間365日体制で安定稼働をサポート
- クラウド&セキュリティの技術力を強みとするJBCCがITインフラの最適化に伴走。サクラクレパスの情報システム部門が競争領域に注力できる環境づくりをインフラからアプリケーションまで支援
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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