2025年7月24日、LegalOn Technologiesは、事業戦略・プロダクト戦略にかかわる記者発表会を開催。シリーズEラウンドとして、総額71.4億円の資金調達を実施したことも発表された。

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今回の資金調達により、「リーガルAIの開発強化」「AIエージェントの自社開発」「グローバル投資の拡大」における取り組みを加速させていくとする。AIにおいては「World Leading Legal AI」を掲げ、法務特化型のAIエージェント「LegalOn Agents」の開発に注力するとのことだ。自然言語によるチャット形式の会話を通して契約書の作成、社内外の情報を参照しての法務相談など、「これまでと質の異なる体験、業務効率の改善を実現したい。法務業務を劇的に良くしていく」と同社 代表取締役 執行役員・CEOを務める角田望氏は述べる。

法務領域における深い知見、AI利用を前提としたデータベース構造による利便性、弁護士監修のコンテンツなど、同社独自の強みがAIエージェントにも活きているという。また、米国と英国で展開している海外事業においては、2025年度中にAPACへ進出することでグローバル展開を強化していくとのことだ。
なお、OpenAI社と戦略的な技術連携を行うことも発表された。既に両者の技術チームはコミュニケーションをとりながら連携を進めているとする。

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さらにLegalOn Technologiesにおいても自社開発したAIエージェントを活用するとして、まずは営業担当者が利用していくという。商談中に受け取った顧客からのメールについて、返信文面をAIが生成して自動返信する。過去のメール文面を学習しながら、リスクヘッジとして“AIが自動返信している”という旨も明記されるとのことだ。角田氏は「2027年3月期までに生産性10倍、グループ全体650人のチームで10,000人分のパフォーマンスを出していく」と強調する。
加えて、シリーズEラウンドにて出資している、みずほ銀行との連携も強化していくという。

同行におけるDX推進をはじめ、「預金、送金など、われわれの業務は法律の裏打ちが必要な業務だらけだ。法律の枠組みが変化していく中、LegalOn Technologies社にサポートしていただきながら商品を展開していきたい」と同行 副頭取執行役員の石川卓氏は語った。

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「AI時代において、世界をリードする『リーガルAIカンパニー』を目指す。グローバルでも全力で取り組んでいきたい」(角田氏)
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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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