サイバートラストは、法務省の「商業登記電子認証ポータルシステム及びリモート署名システム」の設計・開発・運用業務を落札し、商業登記電子証明書による電子署名をオンラインに実現する仕組みとして、サイバートラストのリモート署名基盤を提供すると発表した。
同件は、法務省が提示した「商業登記電子認証ポータルシステム及びリモート署名システムの基本設計・詳細設計業務の請負一式」、「開発業務の請負一式」および「機器構築・運用・保守業務の請負一式」の入札案件に応札したもので、2025年6月に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」に掲げられる行政手続きのデジタル化の推進に貢献するものだという。
商業登記電子証明書は、年々発行件数が増加し、利用が進むものの、操作性が複雑なユーザビリティや電子署名を行える環境が限定されているなどの課題があったとのことだ。こうした背景を受け、商業登記電子証明書による電子署名をオンラインで安全かつ利用者に配慮した操作性で行える仕組みとして、「商業登記電子認証ポータルシステム及びリモート署名システム」の導入によるリモート署名の実現が法務省より入札案件として提示されたとしている。
これまでは、「商業登記電子認証ソフト」を用いて申請を行い、利用者が自身の端末で電子署名をする必要があったという。また現行のシステムでは、署名者が署名鍵を自身の端末においてPKCS#12のファイル形式で保管して電子署名する仕様のため、サービスを利用できる環境が限られていたとのことだ。
これに対し、サイバートラストがリモート署名基盤を実装し、スマートフォンを使用してどこからでもオンラインで安全かつ確実に電子署名をすることを可能にするという。このほか、操作画面をユーザー視点で改善し、利用者の利便性を向上すると述べている。また、リモート署名に利用する商業登記電子証明書と秘密鍵の管理は、サイバートラストの電子認証センターの専用機器(HSM)上で行うため、管理の負荷軽減と漏洩のセキュリティリスク低減を実現できるとのことだ。この新たなシステムの運用を、2026年度中に開始することを目指すとしている。
同システムで発行される商業登記電子証明書は、電子契約での法人代表者の本人確認や、法人から行政機関に対するオンラインでの申請・届出などに活用されるとのこと。これにより、法人取引のデジタル化の促進や行政手続きの効率化が進み、商業登記電子証明書とGビズIDとが連携して事業者向けの共通インフラとして活用されることが期待されているという。
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