このコンソーシアムでは、デジタルトランスフォーメーションの推進に寄与する「金融クラウド」の実用性に関する実証実験を実施するとともに、セキュリティやコンプライアンス対応など、非競争領域における各社共通の検討課題については、参加企業が情報を共有し、標準化やリファレンス・アーキテクチャーを設定することで、金融機関の業務改善や業容の拡大を図り、工数の削減やIT投資の最適化、サービスリリースの短縮化による収益向上への貢献を目指すという。
NRIは、これまでに金融機関向けのICTサービスで培った経験と知見を活かしながら、コンソーシアムの中に設置される各ワーキンググループの議論および活動の推進役を務める。日本マイクロソフトは、コンソーシアムのファシリテーションを行う事務局を務めるとともに、クラウドセキュリティゴールドマークなど多くの認証に対応したパブリッククラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」をワーキンググループでの各種取り組みの基盤として提供するほか、各種技術支援を行う。
コンソーシアム設立時点では11社が参加し、金融業界において高い関心が寄せられている「金融クラウド活用」「高度なデータ活用」「FinTech関連新技術」などの分野からワーキンググループの検討テーマを設定し、実証実験を開始する。
コンソーシアムは、設立後も参加企業および検討テーマを拡大しつつ、ワーキンググループにおける研究や討議の成果を通じて、金融サービス業界におけるデジタルトランスフォーメーションを推進し、低コスト化だけでなく、サービスの多様化や次世代ビジネスモデルの構築を図っていくとしている。
■金融デジタルイノベーションコンソーシアムの参加企業(設立時点)
- 推進役:野村総合研究所
- 事務局:日本マイクロソフト
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参加企業(社名50音順):
インテック
インフォシスリミテッド 日本支社
新日鉄住金ソリューションズ
電通国際情報サービス
日本システム技術
日本ビジネスシステムズ
日本ユニシス
ニューメリカルテクノロジーズ
FIXER
■3つのワーキンググループとそれぞれの活動概要(予定)
1. 「金融クラウド活用」:2018年3月に改定予定のFISC 安全対策基準におけるセキュリティやコンプライアンス対応への配慮など、金融機関での利用要件を充足する柔軟で利便性の高いクラウド基盤の標準化を目指す。
2. 「高度なデータ活用」:金融機関における生産性向上や営業支援、顧客接点の強化、あるいは的確な規制対応など、高度なデータ活用によるデジタルトランスフォーメーション推進への貢献を目指す。
3. 「FinTech関連新技術」:人工知能や深層学習、ブロックチェーンといった新技術を活用することによる、新しいビジネスモデルの開発などを狙った次世代金融プラットフォームの在り方を検討。