x86サーバーは売上額が前年同期比0.9%減の929億円。出荷台数は同2.8%増の11万9,300台
2019年第2四半期の国内サーバー市場は、売上額が前年同期比でマイナス成長となった。製品別ではx86サーバーが、前年同期比で僅かに減少、メインフレームとその他のサーバーが、前年同期比2桁のマイナス成長となった。
x86サーバーは、売上額が前年同期比0.9%減の929億円。出荷台数は、前年同期比2.8%増の11万9,300台だった。なお、Standard Serverは、売上額が前年同期比5.3%増の809億円、出荷台数は、同10.2%増の10万3,800台だった。Custom Serverは、売上額が前年同期比29.0%減の120億円、出荷台数は、同29.0%減の1万5,500台だった。
Standard Serverは、流通、文教、金融、ヘルスケア、製造向けの大口案件があり、売上額、出荷台数共にプラス成長となった。一方、Custom Serverは、ODM Directを中心に、クラウドサービスベンダー向けの出荷が減少し、売上額、出荷台数共にマイナス成長となった。Custom Serverの売上額が、マイナス成長であったことが、x86サーバー全体の売上額がマイナス成長となった要因となった。
カンパニー別では、富士通が売上額で、出荷台数ではNECが、ともに首位を維持
メインフレームは、売上額が前年同期比19.4%減の106億円。金融、製造、流通向けの大型案件などがあったが、メインフレーム市場を牽引するほどの規模には至らず、2桁のマイナス成長となった。
その他のサーバーは、売上額が前年同期比39.7%減の55億円。金融、官公庁、製造向けの大型案件があったが、前年同期にあった金融や製造向けの大型案件の反動で2桁のマイナス成長となった。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は、「クラウドサービスベンダー向けの出荷が減少した背景として、主にグローバルクラウドサービスベンダーによる国内データセンターへのサーバー導入が、次の投資機会を前に一服したことがあげられる」と述べている。
カンパニー別売上額では、富士通が首位を維持。次いで、NEC、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、デル テクノロジーズ(Dell Technologies)、IBMの順。IBMは、前四半期より順位を1つ上げ5位となった。出荷台数は、NECが首位を維持した。次いで、富士通、HPE、Dell Technologies、日立の順だった。上位5社の順位に変動はなかった。
※サーバーの分類
・x86サーバー:x86アーキテクチャのプロセッサーを採用しWindows、Linuxなどオープン系のOSを搭載したサーバー。Itaniumプロセッサーを搭載したサーバーやベンダー独自OSを搭載したサーバーはx86サーバーに含めない。また、「x86サーバー」と「メインフレーム」以外のサーバーを「その他のサーバー」として記載している。
・その他のサーバー:「RISCサーバー」「IA64サーバー」「ビジネスサーバー」「スーパーコンピュータ-」の総称として使用している。
・x86サーバーのStandard ServerとCustom Server:Standard Serverとは、ベンダーが公開するカタログに掲載されたサーバーで、標準的なマザーボードや筐体をベースとしたサーバー。Custom Serverとは、主にクラウドサービスベンダーが、ODM Directなどから調達するサーバーで、マザーボードや筐体が、特定の顧客や用途向けに設計されたサーバー。