日本オラクルは、6月22日、中部電力パワーグリッドが公益業界向けメーター・データ管理アプリケーション「Oracle Meter Data Management(MDM)」を導入し、700万台のスマートメーターを設置したと発表した。
中部電力パワーグリッドによるスマートメーターの設置は、2023年までに1000万の住宅および商業施設との連携を目標とした大規模プロジェクトの一環として行われている。中部電力パワーグリッドは、スマートメーターからのデータを管理することで電力の使用状況を可視化し、発電・送電設備の効率を向上させるとともに、顧客へのサービス向上を図る。
具体的には、顧客の目標電力使用量に達することをスマートメーターのデータから判断し、顧客への事前通知が可能になる。そのほか、家屋の屋根に設置された太陽光発電パネルからの電力使用量を確認し、余剰電力を他の家庭に譲渡できるようになる。
また、スマートメーターのデータ活用によって、中部電力パワーグリッドは中部地方の電力小売事業者による料金計算や柔軟な価格設定といったサービスの継続的な向上を可能にする。
同社は、2013年のスマートメータープログラム発足時に、世界各地でスマートメーターの設置に成功してきた実績に基づき、オラクルの公益業界向けソリューション「Oracle Utilities」を選定している。
一方、オラクルは現在、中部電力パワーグリッドのスマートメーター制御システムを稼働させるインフラストラクチャを提供しており、同社は直近でスマートメーターを700万台から1000万台へ拡大する上で「Oracle MDM」を新規バージョンへとアップグレードした。
さらに、中部電力パワーグリッドは「Oracle Utilities Smart Grid Gateway(SGG)」を利用して高度メーターインフラストラクチャ(AMI)データを一元化。電力アプリケーション、および、スマートグリッドデバイス間の共通接続を実現している。
「Oracle Utilities SSG」の利用により、中部電力パワーグリッドは、電力小売事業者の顧客情報システムに一定の間隔で流れるデータを利用することで、顧客への課金を合理化できる。さらに、スマートメーターへのコマンドをリモート送信することで、家庭へのサービスの接続/切断や電力負荷制限の設定などの操作を、現場作業員を派遣せずに実行可能となった。また、新規デバイス、データ・ストリーム、ビジネス・プロセス導入のコストと複雑さを大幅に軽減する。