日本電気(以下、NEC)は、10月3日開催の取締役会において、スイスの大手金融ソフトウェア企業であるAvaloq Group(以下、Avaloq)を100%所有する持株会社であるWP/AV CH Holdings Iの全株式を取得することについて決議し、同社の株式を保有するAvaloqの持株会およびWarburg Pincusが運営する特別目的会社などと株式売買契約を締結したことを発表した。
取得価額は20.5億スイス・フラン(約2,360億円)であり、2021年4月までの買収完了を予定しているという。
株式取得の理由
金融業界のデジタル化は、デジタル経済社会の持続可能な発展に幅広い影響を及ぼすことが見込まれることから、NECはAvaloqの買収によりデジタルファイナンス領域のソフトウェアやドメイン知識を獲得し、グローバルで同領域に事業参入するとともに、デジタルガバメント領域の事業強化も図るという。
また、Avaloqおよび同社の顧客と長期的な関係を築くことを重視し、NECの生体認証「Bio-IDiom」や最先端AI技術群「NEC the WISE」、ブロックチェーン技術などとAvaloqのソフトウェアを組み合わせることで新たなソリューションの創出を計画。また、2019年2月に買収したKMDを含むNECグループの販路を活用したAvaloqのソフトウェアのグローバルでの拡販を推進するとしている。
NECは今後、買収企業を含む自社のソフトウェアや技術を活用したSaaS型のビジネスモデルをコア事業としてグローバル展開することで、デジタルガバメント領域およびデジタルファイナンス領域を中心に一層の事業成長および収益性向上を目指すという。