2月9日、ガートナーは、2020年の主要電子機器メーカーによる半導体消費に関する調査結果(速報値)を発表した。
2020年における上位10社の主要電子機器メーカーの半導体消費は前年比10%増となり、市場全体でのシェアは2019年の40.9%から42.0%へ拡大。上位10社は、顔ぶれも順位も2019年と同じだという。
アナリストでディレクターの山地正恒氏は、「主要電子機器メーカーによる2020年の半導体消費に影響を与えた要因は2つ挙げられます。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックと米中の政治的紛争です。パンデミックの影響から5Gスマートフォンの需要が低迷し、自動車生産も落ち込みました。その一方で、モバイルPCやビデオゲームに対する需要とクラウド・データセンターへの投資が半導体消費を牽引しました。さらに2020年は、メモリ価格の上昇により、年間を通じてメモリ・チップへの支出が増加しました」と述べている。
2020年におけるHuaweiの半導体消費は大幅に減少し、前年比23.5%減となった(表1参照)。
Appleは2019年に続き、2020年も半導体消費のトップを維持した。これは主に、AirPodsの好調な売り上げ、MacとiPadの特需、NANDフラッシュ消費の増加に起因しているという。
Samsung Electronicsは第2位を維持。Huaweiとの競争が弱まったことや、データセンター向けのエンタプライズ用ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)に対する需要が旺盛だったことから、2020年の半導体消費は20.4%増加した。在宅勤務やE-LearningなどのトレンドがPCやクラウド・サーバの需要を牽引し、Samsung製のSSDが多く消費されたことが要因だとしている。
Xiaomiは上位10社の中で最も成長率が高く、2020年の半導体消費は対前年比26.0%増となった。山地氏は、「Xiaomiのスマートフォン事業は、オンライン・チャネルを中心とした販売モデルを取っていたことから、パンデミックの渦中でも影響を最小限に抑えられました。Huaweiに対する制裁により、Xiaomiはスマートフォン市場でより大きなシェアを獲得しました。スマート・テレビ、ウェアラブル、スマート家電など幅広いコンシューマー向けIoT(モノのインターネット)デバイスで成功を収めたことで、2020年の半導体消費も増加しました」とコメントしている。
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