ワークマンは、日立製作所(以下、日立)との協創を通じ、約10万品目の発注業務を自動化する新システムを本年3月から2店舗に先行導入し、稼働を開始していることを発表した。
本システムは、日立「Hitachi Digital Solution for Retail/AI需要予測型自動発注サービス」を活用したもので、ワークマンの商品特性を考慮し、在庫回転率の低い定番商品に対応する自動補充型のアルゴリズムを組み合わせるとともに、在庫回転率に応じて「自動補充型」と「AI需要予測型」のアルゴリズムを動的に切り替える機能を今回新たに追加したという。
ワークマンの3店舗、31品目を対象に本システムのシミュレーションを行ったところ、現状の店舗棚割に即した平均在庫量を維持しながら、こまめな補充による欠品抑制が実現できるとともに、各店舗で毎朝、システムにより推奨された発注量を確認し確定ボタンを押すのみで発注作業を完了でき、約30分を費やしていた作業を約2分に短縮できることを確認。そして、本年3月から2店舗への先行導入を開始している。
- 自動補充型アルゴリズム:商品の販売累計が一定数を超えた時や最低在庫量を下回った時に、自動的に発注を行う「セルワンバイワン方式」による計算方法
- AI需要予測型アルゴリズム:商品ごとの過去の在庫・発注・販売・売れ残り量や、天候・イベント情報などの複雑な条件を考慮して需要量を算出する方法
なお、アルゴリズムの切り替えや、自動補充型アルゴリズムに関する制御パラメータを分析し、一括でメンテナンスする運用サポートには、日立ソリューションズ東日本の需要予測・発注計画ソリューション「SynCAS」を活用しているという。
両社は、本システムを本年11月までにワークマンの450店舗に導入し、順次、国内のすべての約900店舗へ展開。また、ワークマンは事業拡大に向けて、プライベートブランドの商品開発や流通センターの増強などを進めており、サプライチェーン全体を最適化する仕組みづくりに向けて、今後も協創を継続していく予定だとしている。
さらに日立は、今回の協創を通じて機能を拡充した本サービスを、流通分野向けのLumadaソリューション群「Hitachi Digital Solution for Retail」のラインアップの一つとして、衣料品やスーパーマーケットなどの小売店を対象に展開し、社会価値、環境価値、経済価値の向上に貢献していくという。
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