「DXに必要なことはIT環境の再整備」ITR内山悟志氏が考える“前提が変わった世界”でのDX推進法
なぜ、クラウドネイティブな環境への移行が求められているのか

2021年10月15日にEnterpriseZineは、オンラインセミナー「EnterpriseZine Day Special もう後回しにはできないクラウド移行」を開催した。DX時代になぜクラウド移行が必要なのかにフォーカスをあてた本イベントの特別講演には、株式会社アイ・ティ・アール 会長/エグゼクティブ・アナリストを務める内山悟志氏が登壇。「DXの推進に欠かせないIT環境の再整備」と題して、DXの推進におけるクラウド移行のメリットを説いた。
変化に合わせたITインフラやIT運営方式が必要になる
株式会社アイ・ティ・アール 会長/エグゼクティブ・アナリストの内山悟志氏は、まずテクノロジーの進展が社会を変えることを示すために、米国ニューヨークの1903年と1913年の街の風景を写した2枚の写真を示した。

1903年当時の街中には、馬車が往来。しかしながら、10年後の1913年には馬車が1台も見当たらず、すべてが自動車に置き換わっている。たった10年で自動車社会が到来したことについて、「これは産業構造が大きく変わったともとれるし、人々のライフスタイルが大きく変わったともいえます」と内山氏。この間に失われた仕事も数多くあり、一方で新しく生まれた仕事もある。つまり、自動車が生まれたようなテクノロジーの進展によって、大きな変化が起きたのだ。
そして現在は、まさに同じことがデジタルの文脈で起きており、デジタルテクノロジーが社会を変えている。たとえば、iPhoneが日本で発売されたのは2008年春のことだ。これ以降、様々な機能が1つのデバイスに集約されたスマートフォンが当たり前となり、これにより人々の生活スタイルは大きく変わった。スマートフォンを活用する姿は、10数年前には見られなかったものだ。「まさにデジタルの革新が、社会の変革を起こしています」と内山氏は述べる。

会長/エグゼクティブ・アナリスト 内山悟志氏
100年前と今では、変革のスピードが大きく違う。自動車が米国の半分の世帯に普及するのに約80年かかった。テレビも30年、インターネットでも20年かかっている。しかしながらスマートフォンは、5年かかっていない。時代が変遷するほど変化のスピードは速くなっており、これまでの10年よりもこれからの10年の変化が大きくなることは確実だ。
大きな社会変化が起これば、人々のライフスタイル、仕事が変わる。それに合わせて、新しい世界観が生まれる。そして新しい社会に適合するように、社会インフラや運営方式も変化しなければならない。飛脚やかごかきの仕事がなくなり、自動車や鉄道の普及で郵便局やタクシー会社が生まれたような変化と同じことが、これまでよりも速いスピードで起きる。その新しい社会に適合する、ITインフラやIT運営方式が必要になるという。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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