グルーヴノーツは、清水建設と土木工事の生産性向上を目的に、量子コンピューターなどを活用した建設発生土の運搬計画を最適化する共同実証を実施し、その効果を発表した。両社はシミュレーションで、土砂を運搬する走行台数を変えずに1日当たりの運搬量を約10%増加できることを確認したという。
土砂の搬出入量が膨大な建設現場では、運搬作業の効率が工事全体の進捗を左右するとしている。とくに、土砂の搬出入ルートが複数ある場合はルートを固定していたが、突発的な渋滞などの対応が難しかったという。
プロジェクトではまず、ダンプトラックに搭載したGPSのログデータをもとに、ダンプトラックと土量の稼働率などを分析し、顕著な低速運行エリアなど滞留状況を可視化。グルーヴノーツの量子コンピューターを活用できるプラットフォーム「MAGELLAN BLOCKS」上で最適なルートを探索する量子コンピューターモデルを構築し、検証を行ったという。その結果、走行台数を変えることなく1日当たりの運搬量を約10%増加できることが確認できたとしている。
現在は、GPSデータやナビデータ等をリアルタイムに取得し、「MAGELLAN BLOCKS」で実際の道路交通状況を加味した最適なルートをドライバーに指示する走行実証を行っているという。
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