トップ写真:日清食品ホールディングス株式会社 執行役員・CIO(グループ情報責任者) 成田敏博氏/富士通 柴崎辰彦氏
これまでの記事
- 日清食品グループCIO成田氏に聞く:ローコード開発による「内製化」の推進
- 日清食品グループ成田氏に聞く:現場業務のデジタル化におけるUI/UXの追求
- 日清食品グループ 成田氏に聞く:2030年に向けた5つの施策
業務部門のデジタル化活用の加速
現場業務のデジタル化(連載第25回と26回で詳説)をさらに加速させることは、2030年に向けた中長期成長戦略でも重要なテーマの1つに位置づけている。
「業務部門のデジタル活用については、一部の部門で進んでいたRPAにローコード開発が加わることで、具体的な業務課題に応じて適切なツールを使い分けるなど現場のリテラシーが高まり、それらを会社全体で組織的に支援するための仕組みも徐々に出来ていきました」(成田氏)
こうした取り組みは、日経新聞でも「社員自らアプリ開発 定例業務を50%削減」という見出しで取り上げられた。kintoneの導入も様々な分野で進み、ペーパーレス化を目指した当初のプロジェクトは十分な成果をあげたといえる。現在では、現場社員自らが業務アプリを開発する取り組みを推進し、2023年までにルーティンワークを50%削減するという目標の達成を目指している。
業務部門は比較的難易度の低いkintoneなどのシステムで開発し、IT部門は業務部門への開発支援や運用ルール策定、難易度の高いシステム開発に集中する体制が定着しつつあるのだ。
Gartnerは、2024年にはローコード/ノーコード開発はシステム開発全体の7割近くを占めると予測している。日清食品グループでは、kintoneとPowerAppsに加え、UiPath(RPA)も広義のローコードツールに位置づけ、適材適所で導入を加速させる。
さらに2021年10月に業務改善推進室(現:デジタル化推進室)という組織を立ち上げた。それまで財務経理部にあったRPA事務局を取り込んで、ローコード開発と現場の業務改善のための支援や人材教育がメインの業務になる。