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定時で帰るための運用カイゼン完全マニュアル

真夜中に障害通知の電話が鳴らないようにするための4つのポイント

第1回

システムのしわ寄せは常に運用担当者に回ってきます。ただでさえ大変なプレッシャーを受ける仕事ですから、不具合の対応にかかる負担は少しでも減らしたいところ。今回の記事では、いくつかの質問への回答を通じて、「夜中呼出し撲滅」に向けたヒント(マニュアル)を紹介します。

 

ある日の真夜中に、あるデータセンターでオペレーターさんがアラートを検知しました。アラートの対応手順書を確認したところ「電話連絡先リストに従って電話連絡する」と書いてあり、早速リストの一番上に名前が掲載されている方に電話をしました。しかし、電話に出て貰えなかったので二番目の方に電話し、そして三番目の方に...

 

真夜中に電話が掛かってくる

相談者

重要な打ち合わせの最中や真夜中にサーバーの監視を行っているオペレーターから電話が頻繁に掛ってきて困っています。なんとかして、電話が掛ってくる回数を減らしたいと思っていますが、どの様な手順で進めるとよいでしょうか?

運用先生

まず、状況を可視化する必要があります。電話が掛ってきた件数、目的、内容などを全て記録します。その際、テキストではなく、選択式(プルダウンなど)での入力するように心がけて下さい。選択式にすることで、入力者の負荷も軽減されますし、入力者の違いによる「入力内容のブレ」が無くなり、内容の統計化が容易になります。結果として課題が見えやすくなるのです。

スプレッドシートでの記述式入力
スプレッドシートでの記述式入力
ツールを活用した選択式入力(※プルダウンで所定の値を選択する)
ツールを活用した選択式入力
相談者

なるほど。何となく忙しいという漠然とした把握ではなく、現状の把握から始めるということですね。

運用先生

はい。1ヶ月ないし2ヶ月程度の情報が蓄積された時点で、情報の分析を行います。具体的には、電話の内容を分類し、各分類ごとにその原因を調べます。次に20:80の理論(上位20の事象が、全体の80%を占めている)を意識しながら、大幅に電話回数が削減できそうな原因を選び、実施しやすい対策から着手します。

情報が蓄積されたら内容を分析してみる
情報が蓄積されたら内容を分析してみる
相談者

20:80の法則・・・、つまり、レアケースはひとまず置いて、頻繁に発生していて、しかも簡単に解決できる問題から手をつけるというわけですね。

運用先生

そうです。その方が最初に効果が大きい出やすいですし、カイゼン活動の推進力が増します。例えば、電話が掛ってくる原因の多くが「DBの表領域不足」や「DBのレスポンス悪化」というように、DBに関連した原因が全体の80%まで行かなくとも、電話全体の30-40%を占めている場合が多々あります。

 

その場合は、DBの再設計やサーバーの増強などの対応策を実施することで、大幅に電話件数を削減出来ます。効果の実感があれば、カイゼン活動に身が入るし、周囲の理解も得られやすいですよね。 (→電話の呼び出しが減らせれば万事解決?

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電話の呼び出しが減らせれば万事解決?

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この記事の著者

應和 周一(オウワ シュウイチ)

株式会社野村総合研究所 システムマネジメント事業本部 主任コンサルタント。ITILRをベースとした技術支援サービスの企画立案やITILR準拠のプロセス/ツールの設計/導入支援に従事し、現在は、ITサービスマネジメントのコンサルティングを担当。EXIN ITILマネージャ試験採点官。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/2291 2010/05/12 00:00

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