ICT・メディア産業市場は、多くの分野で成熟期を迎える一方、スマートフォンやタブレット端末に代表される新世代ハードウェアの普及、それに伴うコンテンツ配信市場やソーシャルメディアの成長と一部既存市場の衰退、ウェアラブル端末やM2M(マシン・トゥ・マシン)による新たな市場の形成など、構造変化が起きているという。
「デバイス市場」「ネットワーク市場」「プラットフォーム市場」「コンテンツ配信市場」「ソリューション市場」についての主要なトレンドと、予測結果は次のとおり。
◎デバイス市場(7分野)
- 次世代テレビ、ウェアラブル端末、3Dプリンターが大きな成長市場。
- 各種の端末からスマートフォンへの集約が進む一方、インターネットショッピングの注文リモコンのように、機能を特化させた専用デバイスが登場。「入力デバイス」の多様化を超え、その先の新しい「出力デバイス」の時代へ移行。
◎ネットワーク市場(2分野)
- 政府の政策等により、市場構造が急激に変化しつつある。設備競争だけでなくサービスの競争が加熱し、異業種との市場共創が必須に。
- 移動通信分野では、MVNOや公衆無線LAN市場が大きな成長をみせる。
◎プラットフォーム市場(4分野)
- 携帯端末のスマートフォンへの移行に伴い、B2C EC(消費者向け電子商取引)市場、携帯向けインターネット広告市場はさらに拡大。
- 東京オリンピック・パラリンピックに向け、スマートペイメントが浸透。
◎コンテンツ配信市場(4分野)
- スマートフォンへの一極集中が進み、スマートフォン以外のコンテンツ配信市場は成熟期から衰退期に。
- 生活者起点での「ユーザーエクスペリエンス(利用体験)」を中心とした戦略により、新たな市場を創出することが求められる。
◎ソリューション市場(3分野)
- データセンターと法人ネットワーク市場は、規模的に大きいものの、大きな成長は見込めない。一方で、情報セキュリティ関連市場は堅調に伸び、またM2M市場が急激に成長することにより、全体としては高い成長性を示すようになる。
なお、今回の市場分析や予測の詳細は、単行本「ITナビゲーター2015年版」として、東洋経済新報社より12月4日に発売される。