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サイバーテロ対策などで事業継続/防災/情報セキュリティソリューション市場が拡大――矢野経済研が調査

 発表によると、事業継続ソリューションは、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とDR(Disaster Recovery:災害復旧)ソリューションの2つを対象にした。また、防災ソリューションでは、防災行政無線システム、消防指令システム、総合防災システム、災害情報管理・緊急速 報システム、安否確認サービスの5つのサービスを対象とした。

 情報セキュリティソリューションは、情報セキュリティツール(製品)と情報セキュリティサービスの2つを対象にしている。

2015年度の事業継続/防災/情報セキュリティソリューション市場は7,858億円の見込み

 東日本大震災以降、民間企業におけるBCPに対する意識は高まっており、クラウドを活用した BCP対策、DR対策に取り組む企業も増えている。政府や地方自治体でも、BCP対策や防災システムの見直し、高度化・高機能化が進められている。

 また、日本でのサイバーテロ攻撃被害が現実味を帯びてきたことから、ソリューションベンダー各社にはユーザーからの問い合わせが活発化し、サイバーセキュリティ対策は徐々に活性化してきた。

 このような状況から、2015年度の国内の事業継続/防災/情報セキュリティソリューション市場(事業者売上高ベース)は前年度比105.4%の7,858億円の見込みとなった。

2015年度の情報セキュリティソリューション市場は前年度比105.9%の5,466億円の見込み

 日本でのサイバーテロ攻撃の事例は、2011年から多く見られるようになり、2015年度には、日本年金機構における標的型サイバー攻撃被害のインシデントなどもあり、企業や団体では、サイバーセキュリティ対策の導入を促進する機運がさらに高まっている。

 さらに、近年のサイバーテロ攻撃による情報漏洩被害の増加などから、情報セキュリティ対策を重要な経営課題と位置付ける企業や地方自治体が増加すると思われ、これにともない対策への投資も継続的に続けられているため、2015年度の情報セキュリティソリューション市場(事業者売上高ベース)は前年度比105.9%の5,466億円の見込みとなった。

2013年度から2020年度まで年平均成長率3.9%で推移し、2020年には9,076億円と予測

 2016年度以降は、主だった企業がBCP対策を完了済みであること、またクラウド型のサービスの登場によるサービス単価の下落などが影響し、市場の伸びは鈍化していく。

 ただし、BCPの策定率はまだ決して高いとは言えず、政府や地方自治体でもシステムの見直しや高度化・高機能化を定期的に進めているため、国内の事業継続/防災/情報セキュリティソリューション市場規模(事業者売上高ベース)は、2013年度から2020年度まで年平均成長率3.9%で推移し、2020年度に9,076億円に達すると予測する。

図1:事業継続/防災/情報セキュリティソリューション市場規模推移・予測(作成:矢野経済研究所)  
図2:情報セキュリティソリューション市場規模推移・予測(作成:矢野経済研究所)  

‹ なお、この調査について詳細は、矢野経済研究所が発刊したレポート「事業継続/防災ソリューション市場の実態と展望 2015-2016」にまとめられている。

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