「Veeva OpenData」は、データビジネスの分野でライフサイエンス業界のニーズが高まるなか、あらゆる医療従事者(HCP)や医療機関(HCO)のデータを、製薬企業やその他の団体へ提供する取り組みだという。
「Veeva OpenData」が展開するデータやサービスの中核を成すVeeva OpenData Customer Dataは、医療従事者や医療組織、各種団体のデータになる。顧客データは、信頼できる業界の情報源をもとにたえず更新されており、昨今のマルチチャネル・エンゲージメントに欠かせないデジタルプロフィールデータを含め、最もタイムリーな最善の情報を整備しているという。また、Veevaは最高水準の品質や完全性を確保するために、適切な管理担当者のもとで厳密かつ自動化された検証も行っている。
Veevaがこうした取り組みを開始する背景には、製薬企業が抱える顧客データの課題があるという。製薬企業各社は、複数の社内システムにまたがってタイムリーかつ完全な顧客データを維持しようと日々努力しているが、結果としてコンプライアンスや顧客情報の正確性を維持するために、非常に多くのリソースとコストを費やす状況にある。
こうした課題を解決するため、Veeva Japanは「Veeva OpenData」を日本国内向けにローカライズし、医療機関や医療従事者の基本プロファイルデータのみならず、Veeva CRMのマルチチャネルソリューション上で、常時最新で正確なデータ参照を可能とするソリューション提供を開始するとしている。
医療機関または医療従事者に関するデータ提供サービスは、一般的に利用者を含めた共同メンテナンスによって運営されることで、そのクオリティが担保されているという。Veevaの提供する顧客リファレンスデータは、この共同メンテナンスに加え、自社リソースを活用したプロアクティブな情報収集にも注力し、これまでにない情報の最新性を担保するという。また、医療従事者情報には、看護師、技師、薬局薬剤師も対象範囲としており、製薬企業の幅広いニーズに対応する。
Veeva Japanは、「Veeva OpenData」の日本提供の本格開始に併せて、「Steward Service」の販売を提供する。これにより、VeevaのData Stewardリソースやシステムを利用し、データクレンジングやデータ調査等を業務委託として活用できるという。
例えば、製薬企業内で常時発生する定期的なデータクレンジング、短期間での顧客情報収集といった一定の経験とスキルが必要なタスクに対しても、メンバーは製薬業界の知識と経験を備えているため、一定の品質を担保しながら最適なデータ提供を行うことが可能だ。また、業務開始にあたっては専門のビジネスコンサルタントが要件定義、業務デザインを行うことで無駄のないビジネス貢献を果たすとしている。