世界では2015年に前年比37.8%成長、国内市場はまだ非常に小さい規模
世界のITオペレーション分析ソフトウェア市場は2015年で14億2,330万ドル、前年比37.8%増で成長している。2020年には30億ドルになるとIDCでは予測している。企業の大部分のITインフラストラクチャは仮想化され、さらにクラウド環境はパブリッククラウドとプライベートクラウドのハイブリッド化が進んでいる。
そうした中で複雑化するIT運用管理を最適化していくために、ITオペレーション分析ソフトウェアは非常に重要なソリューションになりつつある。現時点でのITオペレーション分析ソフトウェア市場の大部分は、北米地域とヨーロッパ地域で占められており、国内市場はまだ非常に小さい規模であるとIDCではみている。
IT担当者を運用から解放しITサービスの開発時間を確保するソリューションに
IDCでは2016年9月に、国内企業に対してIT運用管理におけるマシンデータの活用状況に関するユーザー調査を実施した(回答企業数309社)。IT運用管理でマシンデータを分析し常に活用していると回答した企業は11.7%。必要に応じて時々活用している企業は35.6%だが、ITオペレーション分析ソフトウェアのような専用分析ツールの利用は少なく、従来のIT運用管理ソフトウェアの分析機能やExcelのような表計算ツールで分析しているという状況にある。
また、マシンデータをほとんど活用できていないが、今後活用していきたいという企業は38.8%だった。こうした結果から、現状ではマシンデータを時々活用している企業や今後活用していきたいという企業が大半を占めており、活用意向は高いとみられる。こうした企業は、今後ITオペレーション分析ソフトウェアにとって有望な市場機会になるとIDCでは考えている。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷光浩氏は「IT運用管理の現場では、システムの異常や障害の原因を発見して解決するために多くの時間を費やしている。ITオペレーション分析はそのような時間を大幅に短縮し、IT担当者が新たなITサービスの開発に費やす時間を確保するソリューションとなる」と述べている。
今回の発表はIDCが発行した「2017年 国内ITオペレーション分析ソフトウェア 市場動向」にその詳細が報告されている。