SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

日本企業の進化論-激動の時代に生き残るための選択肢

グローバルガバナンス実践方法論(2) -実態調査の武器としてのERP

(第15回)


 前回は、海外子会社に”言うことを聞かせる”ための第1ステップとして、「事実に根差した真の実態を把握すること」が不可欠であるということを説明しました。今回は、では、どのような方法で管理が可能なのかの実践手法を解説します。今までの連載はこちら。

実態調査の武器としてのERP

 海外子会社の実態把握の手段として、定期的な経営レポートや、現地駐在員の派遣、現地視察を実施する企業は多いと思います。その一方で、やはり多くの企業において、このやり方では子会社に言うことをきかせるだけの十分な情報が入手できず、本質的な統制のための議論につなげられていないというのが実情だと思います。

 ではどうすれば、「事実に根差した真の実態を把握すること」が可能でしょうか。ここでは、ERP(統合業務パッケージ)を活用した現地マネジメントの実態調査の手法をご紹介します。

 企業規模の大小などによってシステム化範囲や利用するパッケージ製品の違いはあれども、製造業のほとんどの企業はERPシステムによって基幹業務を管理しています。よって今回紹介する手法は、広く一般的に適用可能なものとして活用価値の高いものです。

 まず、海外の実態調査において大きな武器となるERPの特徴として以下の2点が挙げられます。

  1. ERPはその企業において組織的に定義された標準業務の固まりであり、カスタマイズされた機能やマスタ設定は、マネジメント上の特別な事情・意向を色濃く反映したものである。
  2. 業務実態の事実をモレなくトランザクションデータ(業務履歴)として登録・保管している。

 すなわち、これは前回説明した真の実態の整理における3つの観点(事業特性、考え方、役割・権限)に関する事実の集合体を示すものだと言えます。

 さらに、ERPは設定画面やデータに対するアクセス権があれば、遠隔地からも調査が可能であることも大きな武器となります。

 このようにしてERP調査を通じて構築したマネジメント実態の仮説は、事実に基づく強固な仮説として、ヒアリングや視察等の実地確認の際に優位な立場で進めることを可能にします。

 さて、それではERPを用いた現地実態調査のアプローチを、調査領域の絞り込みから実地調査まで3ステップにわけて説明していきます。

図表1. ERPを用いた現地実態調査のアプローチ

次のページ
調査の対象範囲をどのように絞り込むかが成功の鍵

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
日本企業の進化論-激動の時代に生き残るための選択肢連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

ベイカレント・コンサルティング 田中正吾(タナカ ショウゴ)

  株式会社ベイカレント・コンサルティング シニアマネージャ   国内大手ITコンサルティングファームを経て2007年にベイカレント・コンサルティングに入社。 製造業・通信業・金融業など幅広い業種の顧客企業に対して、事業企画や業務改革、IT企画などで支援を実施。 近年は...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/4744 2013/05/13 18:43

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング