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組織的なイノベーション、道具としてのデザイン思考

「3つの社会変化」を自社組織の機会にする方法

(第3回) 


前回はデザイン思考の3つのレンズを紹介し、イノベーション実現に欠かせない有用性について紹介した。イノベーションが求められる背景には社会の変化が関わっている。そこで、今回は代表的な社会変化を紹介しながら、自らの組織において重要な社会変化について、考えるきっかけを提供したい。具体的に取り組めるように、次の行動を明らかにするワークシートも用意した。ぜひ活用して欲しい。今までの連載はこちら。

「変化」とは“前提が変わること”

 なぜ今イノベーションが必要なのだろうか?社会の変化をうまく活用し、機会から成果を得るためだ。21世紀は激動の時代と言われている。「人口構造」、「労働環境」、「技術発展」など、変化はめまぐるしい。

 変化とは前提が変わることを意味する。前提が変われば取るべき行動も変わる。野球のようなチーム競技であれば、今何をすべきか攻守の違いに左右される。自チームが攻撃側なら点を稼ぐべきであり、守備側なら失点を防ぐべきだ。スコアボードのライトを見れば、攻守のどちら側にいるかは一瞬でわかる。

 しかし、現実世界は違う。状況を明確に知らせてくれるスコアボードなど存在しない。仮にここ1年の利益が過去数年で最高であっても、それが来年も続くかなど誰にもわからない。ジェットコースターの頂上に、ようやく到着しただけかもしれない。表面上の結果だけで判断するのは危険だ。「本当は今何が起こっているのか?」「これまで正しかった前提はどのように変わりつつあるか?」と、社会の変化を注意深く観察する必要がある。

 例としてオフィスにおける「紙」がある。日本での紙の消費量は2008年から2009年になり約10%減少した。理由としてはリーマン・ショックの影響によるコスト削減や、書類をデジタル化する習慣の普及などが想定される。

 もし自社が文房具の製造会社なら、この変化は何を意味するだろう。単純に考えれば、紙の減少は、紙を収納するファイルや什器の需要減少につながる。紙が10分の1不要となり、ファイルも10分の1不要となる。当然売上は下がる。しかし、海外に目を向ければ様子が違う。中国における紙の消費量は8%ほど増加している。日本から事業の軸足を移すべきかもしれない。

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代表的な3つの社会変化

 もちろん、この考えは単純すぎる。しかし、社会の変化によって、これまで通用していた前提が変わってしまうことは事実だ。ポイントは「自分の組織に大きな影響を与える社会変化は何か?」と問いかけ、変化を活かしてイノベーションを生み出そうとすることにある。

 今回の記事では、あらゆる業種に影響を与える3つの社会変化を紹介する。あわせて、具体的な行動を起こす際の助けとなり、10分程度で書き込めるワークシートも添付している。

 1つの出来事が全てを変えるわけではなく、複数の要素が相互に絡み合いながら大きな社会変化を生み出している。求められるべきは、変化の種類や内容を覚えることではなく、変化を自らの状況と照らしあわせ、新たな行動を起こすことだ。

次のページ
人口構造の変化:“予測精度”が高い未来

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この記事の著者

柏野 尊徳(カシノ タカノリ)

岡山県出身。専門はイノベーション・プロセス。スタンフォード大学d.schoolでイノベーション手法:デザイン思考を学ぶ。同大学発行の『デザイン思考家が知っておくべき39のメソッド』監訳など、デザイン思考関連教材は公開6ヶ月でダウンロード5万件。岡山大学大学院で3年間教鞭を執った後、慶應義塾大学SFC(湘南藤...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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