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インメモリでスマートに行こう!

スマートというと、日本人はどうしても「やせててかっこいい」とイメージしてしまう。とはいえ、ここ最近の「スマートグリッド」「スマートメーター」など、「スマートなんちゃら」がいろいろと登場したおかげで「スマート=賢い」というイメージも定着しつつあるところか。このスマートというキーワードを使い続けているのがIBMだ。「IBM Smart Planet 地球を、より賢く、よりスマートに」いちITベンダーが「賢い地球を創造する」というのは、ちょっとおこがましい気もするけれど、ITで世の中のよりよい未来像を示せるあたりは、さすがIBMとも思うところだ。

SAPもスマートで行きます

 スマートというと、日本人はどうしても「やせててかっこいい」とイメージしてしまう。とはいえ、ここ最近の「スマートグリッド」「スマートメーター」など、「スマートなんちゃら」がいろいろと登場したおかげで「スマート=賢い」というイメージも定着しつつあるところか。このスマートというキーワードを使い続けているのがIBMだ。「IBM Smart Planet 地球を、より賢く、よりスマートに」―いちITベンダーが「賢い地球を創造する」というのは、ちょっとおこがましい気もするけれど、ITで世の中のよりよい未来像を示せるあたりは、さすがIBMとも思うところだ。

 さて、SAPもこのスマートの世界に積極的に参入するという説明会が開催された。すでに日本法人独自の取り組みとして、スマートに注力する組織を作り活動を開始している。その組織名は「スマートイノベーション推進室」。

 ここのところSAPは、HANAでインメモリデータベースに注力してはいるが、もともとはERP、つまりはEnterprise Resource Planningアプリケーションのトップベンダーだ。このERPについても、スマート的な観点から「Rethinkingする」とSAPジャパン リアルタイムコンピューティング事業本部長の馬場氏は言う。ちょっとこじつけ的ではあるけれど、Resource Planningする"E"の部分に「Energy(エネルギー)」「Environment(環境)」「Earth(地球資源)」の3つも加える。これら3つをスマートにするのが、スマートイノベーション推進室の役割。そして、スマートにするために活用するテクノロジーが、SAP HANAのリアルタイムコンピューティング技術ということになる。

 「SAPは、エネルギーは極めて大きなトピックスとして取り扱っています」と馬場氏は言う。SAPにはもともとエネルギー分野のユーザー顧客は多く、それら顧客企業、とくに海外企業ではさまざまなデータ活用がすでに行われている。

 British Gasが同社の6,000件のスマートメーター利用企業に対し行った調査では、企業の営業時間外に46%の電力消費がなされていたことが分かったそうだ。これは、スマートメーターから得られる膨大な電力消費状況のデータ分析をした結果だ。無駄に使われていたのは、時間外の照明や自動販売機の電源など、事業者ごとに詳細に使用状況を把握することでBritish Gasでは省エネの提案を行っている。

 顧客に具体的な省エネ提案をすれば、当然ながら電力会社的には売り上げ減となってしまう。しかしながら、電力市場の自由化が進むヨーロッパ地域などでは、そういった付加価値的な顧客サービスを提供することで、自社サービスを選んでもらう武器にしているのだ。さらに、電力消費の詳細が分かることで、電力会社自身のコスト削減策を模索することにもつなげる。

 オーストラリア最大のエネルギー事業者であるAGLの場合は、再生可能エネルギーを含むさまざまなエネルギーの組み合わせで電力を生み出している。変動する需要に対して、どういった組み合わせが効率的かを導き出すため、スマートメーターから得られる電力消費データを利用し需要予測を立てている。その予測により、不要な発電をしないようにしているのだ。この需要予測の分析にSAP HANAを利用したことで、従来は60時間かかっていたものが6分で分析できるようになったとか。

 効率的な電力需給調整は、過去のデータではなかなかうまくいかない。昨日と今日では状況が異なるので、昨日こうだったから今日はこうすればいいというわけにはいかないのだ。できるだけリアルタイムに分析し、いまこういう状況で次はこうなりそうだから、すぐにこんな対策を施すというスピード感が必要だ。

 今後はさらに、気象情報などスマートメーター以外から得られる情報も合わせ、より正確な需要予測の実現が考えられる。そうなれば、これまでよりも巨大な「ビッグデータ分析」ということになる。それを、さらにリアルタイムに分析したいとなり、スマートで行くにはインメモリデータベースHANAの活躍の場が増えそうだ。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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