SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

DB Online Weekly

この夏はインメモリがアツい!? 絶好調のSAP HANA、世界最速を謳うMemSQL

先週の週報でも谷川チーフが触れていましたが、SAPのインメモリデータベース基盤「SAP HANA」の採用事例が国内外で多く発表されています。インメモリデータベースの代名詞的存在になりつつあるHANAですが、2010年12月にはじめてお披露目したときは発表されたときは「High Performance Analytic Appliance」、Intel Xeonプロセッサに特化した分析用アプライアンスとして登場しました。現在、SAPはHANAを略称なしの"オープンなインメモリプラットフォーム"としていますが、HANA搭載のアプライアンスはもちろんいまも数多くのハードウェアベンダから発表されています。

 

ブレードサーバ搭載のHANA搭載のアプライアンスが登場

 6月28日、日本ヒューレット・パッカードが発売を発表した「HP AppSystem for HANA Scalable XL」もHANA搭載のアプライアンスです。まず驚いたのが最小構成約7,000万円(!)からというそのお値段。メインフレーム並みの価格にかなりビビってしまいましたが、日本HPの山中伸吾氏によれば「ビッグデータ分析はITソリューションにおいても投資金額が張る分野。シンプルでスケーラブルなビッグデータ分析を可能にし、年末に発表予定のHANA SP5がリリースされれば、OLTPも1つの筐体内で実行できる」とのこと。機能と相場を考えると決してお高いものではないそうです。HPが提唱する"Converged Infrastructure"を反映し、サーバもストレージもネットワークもオールインワンな設計、つまり「ユーザは電源を入れるだけでいい」(山中氏)という導入の容易さも特徴のひとつです。

 ちなみにこの製品、世界初のブレードサーバ搭載のHANAアプライアンスで、最大640コア&メモリ8TBまでスケールできます。この最大構成って、いったいお値段はどこまでスケールするんでしょうか…。どんな事例で採用されるのか、非常に興味深いところです。

 この発表会は日本HP主催だったのですが、ゲストスピーカーとしてDB OnlineでもおなじみのSAPジャパン 馬場渉氏が登場しました。発表会などではいつも刺激的なフレーズを連発してくれるので、メディアには大変ありがたい存在のMr. HANAですが、今回もなかなか強力なメッセージを発してくれました。

 「海外の人が日本企業のITを見るとあまりの複雑性に驚く。なぜここまで複雑化するのかと。その理由は日本人は分割、複製、コピーがだいすきだから。政治と一緒で基本的に統合のビジョンがない。DBを統合すると部門間の調整が必要になるが、それをすごくいやがる。したがって部門ごとのきめ細かい、"そこまでやるか"という過剰品質システムが生まれる」(馬場氏)

 ようは、だからこそHP AppSystem for HANAみたいなシステムでデータベースまわりをシンプルにしましょう、というコトなんですが、たしかに分割を繰り返したシステムって統合するのはかなり難しい。データベースにしろアプリケーションにしろ、今後は"統合"が注目のキーワードになるのかもしれません。

世界最速なインメモリデータベース、MemSQL

 インメモリデータベースが注目されるのはやはりその高速性ゆえなのですが、ここ最近、"世界最速"なインメモリデータベースとして露出が高いソフトウェアが「MemSQL(http://memsql.com/)」です。MySQL? と一瞬空目しそうになりますが、実はMySQL互換のインメモリデータベース。MySQLの30倍とも言われる高速性が最大のウリで、すべてのSQLコードをC++に変換してワークロードを削減することでパフォーマンスの向上を実現しているそうです。またインメモリデータベースでありながら、リレーショナルなインタフェースが使えるという点も特徴のひとつ。もちろんMySQLノードとの共存も可能です。無償版は用意されていませんが、10GBまでのトライアル版がサイトからダウンロードできます。64ビットLinux上で動き、Red Hat、Ubuntu、SLES、Debianなどメジャーなディストロにはほとんど対応している点もうれしいところ。

 Facebook出身の2人の技術者が2011年にサンフランシスコでローンチしたMemSQL、これまでに500万ドルの資金調達も果たしており、投資家たちの評判も上々とのこと。資金提供者にはY Combinatorや俳優のアシュトン・カッチャーなども名を連ねています。今後は金融やバイオ、製造業などでの採用を狙っていくそう。ビッグデータ界隈の期待のベンチャーがまたひとつ登場したといえそうです。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
DB Online Weekly連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

五味明子(ゴミ アキコ)

IT系出版社で編集者としてキャリアを積んだのち、2011年からフリーランスライターとして活動中。フィールドワークはオープンソース、クラウドコンピューティング、データアナリティクスなどエンタープライズITが中心で海外カンファレンスの取材が多い。
Twitter(@g3akk)や自身のブログでITニュース...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/4077 2012/07/03 00:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング