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マイクロソフト北川さんとお話

ロング or ショート?―データ分析 2つの視点

 北川さん、ダイエットを始められたそうです。人は、データ分析で痩せられるのでしょうか。どうなんでしょうか。

ロングタームの視点

 北川:去年の年末に、人間ドッグを受けたんですけど、最後に医者に呼び出されましてね。

 小泉:おお、それはイヤな感じですね。

 北川:そこには、3年間のデータがステイしていまして。

 小泉:ステイしていたというのは、北川さんの健康の記録すなわちパーソナルデータですか?

 北川:うん。でね、先生が言うんですよ、「3年間、痩せろ痩せろと言い続けてきたが、貴様ときたらまったく痩せてないじゃねえか」みたいなことを。それでダイエットを決意しました。

 小泉:がんばってください!

 北川:なんで体重の話をしたかというと。今日の話は簡単な話です。データにはロングタームの視点で見なきゃいけないものと、ショートタームの視点で見なくちゃいけないものがあるよ、というお話です。早速いきましょうか。まずはロングタームの視点から見てみましょう。(編集部注*商品名は消してあります)

 北川:これは、あるコンビニにおける、あるメーカーの発泡酒の売り上げです。商品名は隠していますが、それぞれの商品の売り上げが色ごとに表示されています。はい、これ見て何かわかりますか?なんでもいいですよ。

 小泉:うう…新商品が出て、売れなくなって、また新商品が出ていく、くらいしか。

 北川:はい。それでは、次。これは同じコンビニの違うメーカーの発泡酒の売り上げです。これは何がわかりますか?(編集部注*商品名は消してあります)

 小泉:あっ…同じものがずっと売れている…?

 北川:そうです。1枚目のメーカーには定番商品がない。2枚目のメーカーには定番商品がある。1枚目のメーカーは、新しい商品を出せば、それなりに売れる。でもすぐに売れなくなってしまう。2枚目のメーカーでは定番商品があるので新しい商品が出なくても大丈夫。

 小泉:1枚目のメーカーはいっぱい出てますね。前の製品の売り上げが沈み込む頃に新しい製品を投入する。これは戦略というのか、自転車操業というのか…

 北川:新製品の開発にリソースをまわしすぎて、定番商品を作る努力が足りなかった、とかね。そういう見かたもできますよね。

 小泉:なるほど。これから新製品を開発するときには、「目新しさ」を重視するのか「定番」を重視するのか、とかそういう方向性を決める上でも役に立ちますね。

 北川:これがロングタームの視点です。

 小泉:よくわかりました。

 北川:でね、話を僕の体重の話に戻しますと…

 小泉:戻しますか。

 北川:おととしの僕の体重と、去年の僕の体重は今年の僕の体重と同じなんです。でも、それじゃあ、何もわからないでしょう?

 小泉:3年間、痩せなかったということ以外は何もわかりませんね。

 北川:でもね、僕、大学時代はスリムだったんです。

 小泉:私もです!

 北川:仮に、僕の大学時代から今に至るまでの体重のデータがきちんとあったとしたらどうでしょう?どんなことがわかると思いますか?

 小泉:ええと、ええと…スリムだった頃から現在の体重に至るまでの、変化がわかる…?

 北川:そう!増加率を見る。たとえば転職してから体重がいっきに増えたのはなぜだろう?とかね。

 小泉:なるほど。データをロングタームで見ると、課題が見えてくるというわけですね。

 北川:ロングタームで見ないとつかめない何かがあるんです。長期間見ないとわからないようなことが。そして、それを見るためためには、データがきっちりと取れていなければならない。さっき、例に出したような「ナショナルブランドの発泡酒」などは比較的取りやすいとおもいます。でも、バナナは?有機野菜は?

 小泉:前回話した「腐データ」がよみがえりますね…。

 北川:これがビッグデータの量的に「ビッグ」な部分なんですね。

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ショートタームの視点

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この記事の著者

小泉 真由子(編集部)(コイズミ マユコ)

情報セキュリティ専門誌編集を経て、2006年翔泳社に入社。エンタープライズITをテーマにイベント・ウェブコンテンツなどの企画制作を担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/5546 2014/01/28 10:00

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