RFPとはなにか
皆さんは、RFPをご存知でしょうか。日本語だと、連載の表題にあるとおり「提案依頼書」と訳されます。そのままベタに意味を考えれば「提案を依頼する書類」ということになります。では、提案を依頼するとはどういうことでしょうか?
提案を受ける
まずは、提案について考えてみましょう。IT業界で提案という場合、情報システムに関するものです。一般的には次のようなものが想像されます。
「このようなシステムを導入すると、こんな問題点が解決されますよ」
つまり、企業が抱えているシステム的な課題に対する解決策の提案ということですね。大抵の場合において、提案するのはITベンダーになることでしょう(ちなみに、「この製品、買いませんか?」という単なる売り込みとは異なる点には注意が必要です)。
提案を要求する
ところで、自社が課題を抱えているときに、いつもタイミングよくITベンダーが提案を持ってきてくれるとは限りません。それに、自社の課題をITベンダーが常に見てくれていて、適切な提案を持ってきてくれるわけでもありません。
システム構築は大抵の場合、ITベンダーの手助けが必要ですが、彼らが自社を訪れるのをただ座って待つわけにも行きません。すると、企業側は、「自社の課題を解決する策を提案してほしい」という思いをITベンダーに伝える必要が出てきます。
「こんな課題があるんだけど、解決案を提案してもらえませんか?」
これがRFP(提案依頼書)です。ITを活用しようとする企業が問題を抱えていて、それを解決する提案を要求する書類のことをRFPと呼ぶわけです。
RFPの書き方をおさらいしよう
「そういう書類だったら、いつも出しているよ」という方、素晴らしいです。ぜひ、今後も続けてください。この連載では、より効果的なRFPを作成するためのヒントも紹介してきますから、ブラッシュアップに役立てていただければ幸いです。
「いや、書いたことないなぁ」という方。この連載を通して「ああ、そういうメリットがあるのなら、やってみようかな」と思っていただければ嬉しい限りです。
ぜひ、皆さん、IT業界全体の底上げ、そして自社IT活用度合いの向上、より良い提案を受けられる基礎作りのために、RFPの作成をはじめてみてください。
さて、RFPの具体的な作成方法については、次回以降に譲ることにしましょう。今回は、残りのページで2つのテーマについてお話をしておきたいと思います。ひとつは、RFPに関わるいくつかの用語の定義。もうひとつは、RFPを作ることによって得られるメリットです。