シスコとNTT東日本、中小企業向けITサービスを共同検討へ　「大企業基準」のテクノロジー実現を目指す

　シスコシステムズと東日本電信電話（以下、NTT東日本）は、中小企業が直面する経営課題に対応するための新しいITソリューションサービス（以下、同構想）の共同検討を目的に業務提携契約を締結した。

　同構想は、日本の中小企業が直面している「ITの複雑さ」という壁を取り払い、「回線につなぐだけ」で、大企業基準のセキュリティと最新テクノロジーを手軽に享受できる未来を目指すもの。IT人材不足に悩む中小企業が専門知識や複雑な導入プロセスを必要とすることなく、日々の業務効率化とビジネス革新を可能にするIT環境を実現し、中小企業の成長を強力に支援するという。

新サービス構想

　同構想では、「つなぐだけでできるITへ。デジタルの恩恵を全ての人に」をテーマに掲げ、次の価値を提供するサービスの実現を目指すとしている。

• 接続体験「回線につなぐだけで端末がクリーンに」：ネットワーク経由で端末のトラフィックを最適化し、接続された端末の状態を常に安全かつ最新の状態を維持する仕組みを提供する
• ネットワークのオブザーバビリティ：トラフィックやシステムの状態をリアルタイムで可視化し、問題の早期発見と迅速な対応を可能にする
• 大企業基準のセキュリティ対策：24時間365日の自動監視と最新脅威への対応により、中小企業でも大企業との取引条件に適合できるセキュリティ水準を実現する
• シンプルで透明性の高い料金体系：月額定額制により、コストの見通しが立てやすく、予算管理を容易にする
• 柔軟なスケーラビリティ：企業規模や業種に応じたカスタマイズが可能であり、成長に応じた機能追加・拡張がスムーズに行えるようにする

　同構想では両社の強みを活かした技術とインフラストラクチャを融合し、NTT東日本のブロードバンド回線を基盤に、「オブザーバビリティ」「ネットワークセキュリティ」「端末管理・端末セキュリティ」という3つの核となる機能を統合したソリューションを検討していくという。ネットワークの状態を常に把握し、潜在的な問題を事前に検知するとともに、企業間取引に求められるセキュリティ基準を満たすネットワークからエンドポイントまで一貫した保護と防御を提供し、安全かつ最適化されたIT環境を活用できる基盤の構築を目指すとのことだ。

　今後、新たな構想と提供価値の実効性を検証するための実証実験を行い、実際の中小企業の現場における運用と効果を検証し、評価を行う予定だとしている。

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