富士通は、グローバルサプライチェーンにおける突発的な外部環境変化に対応するため、損益インパクトを算出し、意思決定を支援するソリューションを7月2日より提供開始した。
同ソリューションは、企業内外に分散するデータを統合し、市場変動などによる影響が大きい対象製品の特定や損益インパクトを算出するもの。同社が提供するオールインワンオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS」の新機能として提供され、社内外のデータを統合し、AIエージェントによる対策提案により、画面上でシミュレーションに基づいた意思決定を実行できるとしている。
具体的には、次の3つのステップを通じて、顧客のサプライチェーンのレジリエンス向上を支援するという。
- 利益・原価構造の把握:グローバルサプライチェーンにおいて、市場変動などにより影響を受けているサプライヤーや工場を可視化し、どの製品がどのルートでどれだけの輸入コストが発生しているのかを提示。これにより、顧客は自社の利益や原価構造を詳細に把握し、潜在的なリスクを特定できるとしている
- 戦略プライシングシミュレータ:市場変動などにより原価構造に変化があった場合に、製品の価格変化が需要に与える影響を分析する価格弾力性モデルにより、それぞれの製品の適切な販売価格をシミュレーションする。これにより、市場の変化に合わせた最適な価格戦略を策定し、顧客の収益を向上させるという
- オペレーション変更シミュレータ:輸入コストが高騰している調達先を変更する際の原価構造や利益の変化を分析し、サプライチェーンの最適化を支援。代替サプライヤーの選定や輸送ルートの変更といったオペレーションの変更による影響を、各領域の専門AIエージェントが様々な観点から評価し、オーケストレーターエージェントが総合的な判断を行うという。これにより、顧客の影響分析と意思決定を支援するとのことだ
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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