2025年6月26日、富士通は、コンサルティング事業の全社展開にともなう記者会見を開催した。

(左から)富士通株式会社 執行役員副社長 CRO コンサルティング担当 大西俊介氏
同社 グローバルコンサルティングビジネスグループ長 習田晋一郎氏
同社 グローバルコンサルティングビジネスグループ Global Technology Practice Leadの三原哲氏
具体的には、2024年2月に立ち上げられたコンサルティング事業ブランド「Uvance Wayfinders」の活動を拡張し、企業の持続可能性向上に密接に関わるIndustries(業種)、Operations(オペレーション)、Experiences(体験価値)、Technologies(技術活用)の4つの領域においてコンサルティングを強化するという。
会見冒頭、同社 執行役員副社長 CRO コンサルティング担当 大西俊介氏は同取り組みの責任者として強調したいポイントについて、以下2点をあげた。
- 富士通の子会社という形ではなく、富士通全体の中にコンサルティングチームを作る
- プロジェクトを始める時点から、グローバルな組織編成を行う
「この2つのポイントのほかに、実は個人的にもう1つだけこだわりたかったポイントがあります。それが、“本物のリーダーシップ(をもつ人)に来てもらいたい”という思いです。コンサルティングは若者や学生から憧れられる職業ではありますが、人の弱みにつけこむような仕事をする人がいることも事実。その中で、“本物”のリーダーシップをもった人と一緒にこのプロジェクトを進めたいという思いから事業を推進していきました」(大西氏)
次に、同社 グローバルコンサルティングビジネスグループ長 習田晋一郎氏が登壇し、Uvance Wayfindersの位置づけについて説明。大きく以下4つのキーワードにまとめられると語る。
- One-Fujitsu:フロント営業やソリューション、テクノロジーデリバリーなど富士通の総合力をまとめ顧客に提供する
- End-to-End Delivery:経営・事業・業務の課題出し、改革案づくりから詳細設計・PoC・実装・継続的開発・運用の全体を支援。また、価値に見合ったPricingなども積極的に導入する
- Industry Expertise:業種やエコシステムの課題に対して常に仮説をもち、顧客のアドバイザーとして支援する
- True Global Team:グローバルで共通の組織体制、人事・採用・評価制度、コンサルメソッド、文化、オペレーティングモデルを導入する

「メンバーには、金融や製造業、自動車・重工、エネルギーなど様々な業界の経験者を集めた」と習田氏。コンサルティング会社だけでなく、事業会社やSaaS会社などからテクノロジーの知見をもった人材を採用しているとのことだ。
また、Uvance WayfindersはデータとAIを用いた支援事業に力を入れるという。同社 グローバルコンサルティングビジネスグループ Global Technology Practice Leadの三原哲氏は、「これからのビジネス変革の中核は、データとAIが担っていくことになるだろう」と語る。今までのデータ・AIの活用は人間が操作・分析・判断するものだった。しかし今後は、AIがデータをもとに業務を理解し、必要な情報を取り揃えるようになる。最終的な判断は人間が行うが、その後の運用などはAIが行うことになるだろう。
「既存の業務・ITは“人間中心”に作られている。それではAIを効果的に活用できない」と同氏は述べる。AIを活用しやすい環境を作り上げることで価値ある変革が行われていくとし、Uvance Wayfindersでは顧客がデータとAIを活用し、自律的に業務・ITを変革し続けられるための支援を行うと説明した。

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