Coupaは、日本CFO協会と共同で、日本企業のCFOや経理・財務幹部を対象に「日本CFO戦略調査:2025年」として、持続的成長実現のための支出変革とAI・テクノロジー活用に関する調査を実施した。
外部環境と日本のCFOが抱える懸念
- 日本企業のCFOがビジネスへの最大の脅威と捉えるのは、「物価上昇・コスト高騰」(66%)および「労働力不足・技能人材不足」(46%)。これに対し、グローバルでは「不安定な地政学的状況」や「サプライチェーンの混乱」などが上位に挙げられた
- 今期の財務目標達成に「懸念」または「非常に懸念」を抱える日本のCFOは85%に達し、欧米の69%と比較して、日本企業のほうがより切実に昨今の経済情勢が及ぼす影響を深刻に受け止めている
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企業価値最大化への優先戦略と支出管理の位置づけ
- 半数以上(53%)が「戦略的な投資配分による資本効率の向上」と回答、またその結果と並んで半数(50%)が「支出管理とコスト構造の最適化」も優先戦略の1つに挙げた
- 半数以上(53%)が「グローバル市場展開・新規市場開拓や新製品サービスの開発投入」という本業での競争力強化を挙げているが、一方で回答者全体の7割以上が売上成長の実現に難しさを感じているとも回答した
- 支出管理は、財務戦略において「コスト管理・削減を目的とした管理対象」(71%)であると同時に、「投資判断、利益率改善を実現するための戦略的対象領域」(55%)としても認識されている
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データとテクノロジー活用における日米のギャップ
- 日本のCFOが支出管理で直面する最大の課題は「全社的な支出データの可視性が不十分」(56%)。「支出データが複数ソースに分散し、収集に手間がかかる」(50%)、「支出データが適時に入手できない」(27%)といった「リアルタイムでのデータアクセス能力」への課題意識が非常に高いことが判明した
- AI導入状況において、AIを財務・調達業務全体に戦略的に統合している日本企業は2%にとどまり、グローバルの48%と比較してギャップがあった。日本企業ではまだ「未導入だがExcelなどの従来ツールからの脱却を検討中・調査段階にある」(39%)企業が最多
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DX推進の障害
- 日本企業におけるデジタル変革を阻む最大の障害は「デジタル人材・スキルの不足」(26%)。また、「機能・部門のサイロ化」(17%)や「老朽化したシステムの継続利用」(15%)も上位に挙げられた
調査概要
- 調査実施:日本CFO協会
- 調査協力:Coupa
- 調査対象:日本CFO協会会員を主体とした日本企業の経理・財務幹部
- 調査方法:オンライン上でのアンケート調査
- 有効回答者数:358名
- 調査期間:2025年6月5日~7月18日
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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