ELYZAは9月9日に記者向け発表会を開催し、法人向け生成AI活用ツール「ELYZA Works」の提供開始を発表した。

ELYZA Worksは、AIアプリケーションの企画・開発から現場の活用、評価・改善までをAIがフルサポートするもの。自社専用の業務AIアプリケーションをAIが生成し、作成したアプリはチーム単位で共有可能だという。そこから利用と評価を通じて、AIアプリケーションの品質改善までをAIが支援するとした。
同社 代表取締役CEO 曽根岡侑也氏は、同サービスをリリースした背景として、日本企業における生成AIの活用状況と課題に触れた。「生成AIの効果を十分に感じられている企業は決して多くない。インテージの調査によると、『生成AIが導入され、活用が進む企業』は全体の5%以下にとどまっている。これはつまり、95%の企業が生成AIを導入していない、もしくは導入したが活用できていないということを指す」と指摘する。

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このような状況を踏まえ、今後よりスピーディーに、より広い範囲のユーザーに生成AIの活用効果を波及させていくことを目的として、同社はAIプロダクト事業を新たに立ち上げることを発表した。バリューチェーンにプロダクト事業を加え、サービス提供範囲と提供企業数を拡大していくという。このAIプロダクト事業の第1弾として「ELYZA Works」を位置付けているとのことだ。

ELYZA Worksのイメージ図
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曽根岡氏はELYZA Worksについて「日本語で指示を出すと5分ほどで一つのアプリケーションが作成できる」と説明する。既にいくつかの企業にてトライアルを開始しており、ユースケースが出てきているとした。
同氏は、ELYZA Worksが企業の現場で活用されやすい特徴として以下3つを挙げる。
- チームで使える・管理できる:作成したアプリはチーム単位で共有可能。利用状況や利用権限も管理できる
- 大企業・行政でも安心なセキュリティ:金融大手企業の基準や機密性2情報にも対応。デジタル庁での利用実績もあり
- グローバルな最新技術トレンドを反映:同社の研究開発によりRAG・エージェントなどの最新技術トレンドも取り込み
料金プランについて「1アカウントあたり1ヵ月980円から利用できる」として、「業界最安値の水準で提供する」ことを強調した。
最後に、今後の機能拡張の方向性として「AIエージェントの実装」「外部システムとの連携」「パートナー連携」の3つを挙げる。「MCPサーバーや各種データソース、システムとも連携していくことで利便性向上を目指す。パートナー連携においては、KDDIグループを含む大手企業との販売提携やオプションサービス連携などを推進していく予定だ」と述べた。
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