東京エレクトロン デバイス(以下、TED)は、Semperis社と国内初パートナーとして販売代理店契約を締結し、Active Directory(AD)への脅威を検知・防御・復旧するITDR製品を9月25日より販売開始した。
Semperis社は米国に拠点を置くスタートアップで、企業規模10億ドルを超えるユニコーン企業。Active Directory(AD)の保護に特化したITDRソリューション「Semperis」を提供している。同社でアジアおよび日本のセールスバイスプレジデントを務めるGerard Sillars氏は、企業の90%のエンタープライズ企業がADを利用しており、ゼロトラストは「ADが安全である」ことを前提に成り立つものであると指摘。「現在、セキュリティ侵害の90%が認証情報の悪用に起因するものだといわれている。ADは20年以上利用されてきた技術であることから、攻撃者に脆弱性を熟知されており、認証情報の悪用を入り口とする攻撃の標的になっている」と警鐘を鳴らす。

こうしたサイバー攻撃への対処として重要性が高まっているのが、ID関連の脅威を検知・防御して企業基盤を守るITDR(Identity Threat Detection and Response)だという。
同社が提供するSemperisは、Active Directory(AD)の保護に特化したITDRソリューション。ITDR製品で唯一、AD内部のあらゆる変更をリアルタイムで監査・可視化し、予防、検知するだけでなく、攻撃者によるIDの権限変更時の自動復旧、AD環境のマルウェアフリーの復旧(Forest Recovery)までを包括的なソリューションとして提供するという。また、汎用的なセキュリティ製品を補完し、オンプレミスADとEntra ID(Azure AD)を含むハイブリッドなID環境においても、権限操作や不正な構成変更を一元的に保護できるとしている。
TEDでCN BU CNビジネス開発室の室長を務める漢那憲昭氏は、Semperisを販売する背景について「サイバー攻撃の初期侵入を防ぐEDR製品はこれまで当社でも取り扱ってきたが、ADサーバーやID管理に特化したソリューションは扱っておらず、この領域をカバーする製品の必要性を感じていた」と説明する。

提供形態については、同社から顧客への直接販売・保守サービス提供に加え、ディストリビューターとしてパートナー経由でも販売するという。特に、同社の提供するSOCサービスのメニューに組み込む形で導入から運用まで支援するとしている。
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