ソニー銀行と富士通は、富士通の勘定系ソリューション「Fujitsu Core Banking xBank(クロスバンク)」を採用したソニー銀行の新勘定系システムにおいて、機能開発への生成AI適用を2025年9月から開始。2026年4月までに、すべての勘定系システムの機能開発に生成AIを適用していく予定だと発表した。

同行は、2025年5月にFujitsu Core Banking xBank活用によるクラウドネイティブな勘定系システムの導入をもって、すべてのシステムをクラウドに移行。今回の取り組みは、これらのクラウドネイティブな環境を活用し、生成AIを中核に据えたAIドリブンな開発エコシステムの構築に向けた第一歩だという。
取り組みの概要
両社は、勘定系システム開発への生成AI適用において、まず開発・テスト領域で、富士通の独自技術であるナレッジグラフ拡張RAGを活用し、AI適用水準を向上させていくとのことだ。ナレッジグラフ拡張RAGは、保有する大規模データの関係性をナレッジグラフで紐づけて生成AIへの入力データを高度化するもので、これらを繰り返して知見を蓄積することで、生成AIの精度向上を図るという。
将来的には、管理・要件定義・運用保守を含む全システム開発工程における一貫した生成AIによるシステム開発の実現や、開発期間の20%短縮などを目指す。また、すべてのプロセスが「アマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)」上で完結することで、高度なスケーラビリティとセキュリティを実現し、開発効率を向上させるとしている。Fujitsu Core Banking xBankとAWSとの連携により、継続的な品質向上と迅速な開発サイクルを実現する開発エコシステムの構築を目指すとのことだ。
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