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HPE、ジュニパーネットワークスとの統合でネットワーク市場トップ狙う 2026年度は4分野に注力へ

 日本ヒューレット・パッカード(HPE)は12月15日、メディア向けに2026年度の事業方針説明会を開催した。

(左から)日本ヒューレット・パッカード合同会社 代表執行役員社長 望月弘一氏
同 執行役員 HPE Networking事業統括本部長 本田昌和氏

 冒頭に登壇した同社 代表執行役員社長 望月弘一氏は、同社が2015年にHPから分社して10年を迎えたことに言及し「当社は常に顧客の要望に耳を傾け、テクノロジーを進化させてきた」と振り返った。特に2026年度は、同社が掲げる「Reading Edge-to-Cloud Company」としての地位を確立するための重要な年と位置付けられているという。

 2025年度の決算においては、売上高だけでなく利益(EPS)やキャッシュフローにおいても予測を大幅に上回る成果を上げたことに触れ、ビジネスが着実に伸びていることを強調した。

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 2026年度の事業方針における最大のテーマは、顧客のIT環境における「最適解」の提供だという。現在のエンタープライズ環境において複数のベンダー製品やクラウドサービスが混在する中、同社は特定の技術やプラットフォームに固執しない「ベンダーニュートラル」かつ「クラウドニュートラル」な立ち位置を明確にしている。望月氏は「オンプレミスかクラウドか、二者択一ではなく、それぞれの利点を融合させた『第3のプラットフォーム』の提供こそが我々の使命だ」と述べ、特に「HPE GreenLake」の進化に自信を見せた。

日本ヒューレット・パッカード合同会社 代表執行役員社長 望月弘一氏

 2026年度に注力するポイントとして、望月氏は「ネットワーキング」「ハイブリッドクラウド」「インフラストラクチャ市場の拡大」「AI」の4点を挙げる。特にネットワーク分野では、2025年7月に完了したジュニパーネットワークスの統合により、事業規模が大きく拡大したとして、「従来のHPE Aruba Networkingにジュニパーネットワークスの技術力が加わることで、エッジからデータセンターまでを包括する強力なポートフォリオが完成した」と述べた。

 AI分野においては、機密性の高いデータを扱う企業が増える中で、パブリッククラウドではなくプライベート環境でのAI基盤を求める「オンプレミス回帰」の動きが顕著であると指摘する。望月氏は、同社がこのニーズに対応すべく、NVIDIAと協業して両社のテクノロジーを融合させたAIプラットフォームを提供してきたことに言及した。

 続いて登壇したHPE Networking事業統括本部長の本田昌和氏は、ジュニパーネットワークスとの統合による具体的なシナジーと戦略について解説した。この統合により、HPEのネットワーク事業規模は約2倍に拡大し、全社売上の約3分の1を占める中核事業へと成長したという。本田氏は、長らく一社独占に近い状態が続いていたネットワーク市場において、HPEがトップシェアを狙える位置につけたと自信を見せる。

 ジュニパーネットワークスが加わった「新生HPE Networking」が掲げるビジョンは「Self-Driving Network(自律型ネットワーク運用)」。エージェンティックAIをはじめとしたAIを活用することで、ネットワークの運用管理を自動化し、障害の予兆検知から修復までを人間の手を介さずに行う世界観を示した。本田氏は、ジュニパーネットワークスの「Mist AI」と「HPE Aruba Networking Central」の各機能を相互に移植し、統合を進めていると述べる。

日本ヒューレット・パッカード合同会社 執行役員 HPE Networking事業統括本部長 本田昌和氏

 また本田氏は、2026年1月1日からジュニパーネットワークスと同社の営業組織を完全に一体化する方針を示した。「両社の社員は、この統合を非常に前向きに捉えている。長年の寡占市場に風穴を開け、新しいリーダーになる準備は整った」と語る。今後は、サービスプロバイダー、エンタープライズ、パブリックセクター、コマーシャルの4つの主要セグメントごとにネットワークの専門部隊を配置し、各市場のニーズに即した提案活動を展開していく方針だとしている。

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この記事の著者

竹村 美沙希(編集部)(タケムラ ミサキ)

株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部

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