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AIによるイノベーションと生産性向上が2021年までに2倍以上に加速すると期待――マイクロソフトとIDCが共同調査

 ■調査結果の主なポイント

 ・日本において、AIの取り組みを開始した企業は33%程度

 ・2021年までに、ビジネスリーダーは、AIがイノベーション(革新的な製品やサービスの開発、提供)と従業員の生産性の向上を2倍以上に加速すると期待

 ・AI活用の成功の鍵は次の3点:従業員のスキル、インサイトを得るためのツール、組織文化

図1:イノベーション推進と従業員の生産性向上におけるAIへの期待値(現在および3年後)

 調査対象のビジネスリーダーの約4分の3が、自社の競争力強化にとってAIが重要であると述べる一方で、AIに関する取り組みを開始した日本企業はわずか33%に過ぎないが、AIを採用した企業は、2021年までに自社の競争力を2.5倍に向上できると期待している。

 ■AIの採用理由

 企業におけるAI採用理由のトップ 5は次のとおり。

  1. 競争力の強化(回答者の 22 %が最も重要な要因と回答、以下同様)
  2. イノベーションの加速(18%)
  3. 従業員の生産性向上(18%)
  4. 顧客エンゲージメントの向上(14%)
  5. 利益率の向上(14%)

 IDC Japanの眞鍋敬氏(ソフトウェア&セキュリティ/ITスペンディング グループディレクター)は、次のように述べている。

 「現在、企業はAIを導入することによって、11~14%のビジネス改善を期待しています。さらに3年後には少なくとも2.1倍の向上を期待しており、AI導入によるビジネス改善の効果はイノベーションの加速、利益率の向上、従業員の生産性向上の分野で最も高い向上が期待できると予測しています」。

図2:AI活用によるビジネス改善効果の期待(現在および3年後)

 ■従業員のスキル、ツールおよび組織文化が成功の鍵

 また、本調査では、従業員のスキル、ツールおよび組織文化がAI活用を成功させる鍵であることが明確になった。

図3:日本の組織が直面するAI導入の課題

 眞鍋氏は次のように述べている。

 「企業のリーダーは、AIを自社のコア戦略とし、組織文化を育成する必要があります。AIは短期に効果を感じられなくても、長期的視点から継続的な投資を行っていくべきです。さらに、AI活用のための開発、展開、管理のための人材育成、および適切なガバナンスを備えた堅牢なデータインフラストラクチャの構築が喫緊に求められます」。

 AIを採用しているビジネスリーダーが直面する最も重要な3つの課題は、従業員のAIに関するスキルや人材育成プログラム、AIを活用するための分析ツールやインフラストラクチャー、およびAIを十分に活用出来る組織文化だ。

 調査対象となったビジネスリーダーと従業員の多くが、リスクの許容、積極的イノベーション、組織境界を越えた協業といった要素が現時点では十分でないと考えている。

 ビジネスリーダーは、イノベーションと継続的学習が組織の中核となる新たな文化を取り入れていく必要がある。これにより、俊敏性、適合性、そして、成長への礎を築くことが可能になる。

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