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「SAP S/4 HANA Cloud」最新版の提供開始 6つの新アプリも

 SAPジャパンは、「SAP S/4HANA Cloud 2011」の提供を開始した。

 最新版のSAP S/4HANA Cloudは、従来のSAP ERPが提供していたリアルタイム性や内部統制といった価値を保ちつつ、インテリジェントエンタープライズ化における以下の3つの要素において、新しい技術を取り込んでいる。

  • 社内外プロセスの連携による業務の自動化や標準化の促進:広範囲な業務領域をカバーし、SAPのビジネスネットワークや各種SAPソリューションとの連携を強化
  • 迅速性(変化への対応スピード向上):基幹系と分析系の統合および組み込まれた分析機能により、気づきから対応までのスピードを、またクラウド活用による立ち上げ・変化対応のスピードを向上
  • 革新性(高度・最新技術の適用):機械学習などの活用による業務の自動化や高度化を促進

 また、最新版のSAP S/4HANA Cloud 2011で提供する主な新機能は以下の通り。

回収・クレーム管理に対する新たなSAP Fioriアプリの提供

 売掛金処理や支払約束管理など、6つの新しいアプリを提供している。また、支払約束における分割支払の登録や、クレームと改修請求書におけるカスタム項目・ロジックの拡張オプション提供などにより、柔軟な対応が可能になったという。

定期的なサービス業務への対応

 保全計画による定期サービスの計画立案、および計画に基づくサービス実行管理を行うことができる。この機能を利用することで、定期サービスによる顧客維持率と継続的なサービス収益の増加につながるとしている。

販売領域における機械学習の活用

 PDFファイルなど非構造化データからの受注登録、受注時の製品提案などが新たに組み込まれた。これらを通じて受注処理のさらなる自動化や機会損失リスクの低減を支援する。

SAP Privacy Governanceとの統合によるデータ保存リスク対応によるGRC(ガバナンス・リスクおよびコンプライアンス管理)の強化

 SAP S/4HANA Cloudでの財務領域およびビジネスパートナテーブルの利用データに対し、プライバシー関連手続きの自動化を定義できるようになった。たとえば、情報ライフサイクル管理(ILM)の保持期間を超過した取引先マスタや契約会計データの検出が行えるようになっている。

 また、オンプレミス版のSAP S/4HANAの最新版(SAP S/4HANA 2020)も10月にリリースしており、以下のような機能を提供している。

SAP Intercompany matching & Reconclication(内部取引照合機能)

 連結処理前において、グループ間取引の照合処理を効率よく実施するためのソリューション。リアルタイムでの照合状況モニタリングによって、シェアードセンターやグループ各社の担当者が照合状況を把握することができる。

社内修理プロセス

 社内修理の計画とスケジュール、社内修理用に受領したデバイスの取得や修理結果に基づいた次のステップの定義、完了した修理のレビュー、修理完了後の出荷および請求プロセスのトリガー化、といったことが可能。対処に必要な情報が関連付けされた包括的な「社内修理」業務を確立することができるという。

インテリジェントテクノロジーの強化

 インテリジェントRPAや機械学習で自動的にシステムが業務を実行した場合も、エラーが起こるケースや人の介在が必要となるケースが生じる。このようなケースへの気づきを迅速化するため、Situation Handling機能による例外処理の通知種類を大幅に拡張した。設定条件にあてはまる処理が行われた場合、適切なユーザーにプッシュ型で通知することができるため、例外処理などに迅速に対応することが可能だとしている。

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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