SAPジャパンが幹事法人をつとめる電子インボイス推進協議会は、日本国内における電子インボイスの標準仕様を国際規格「Peppol(ペポル)」に準拠して策定することを公表した。
電子インボイス推進協議会(以下、EIPA)は、2020年7月に発足しており、65社の正会員と特別会員3団体、7名(2020年11月末時点)に加え、行政機関のオブザーバーを交えて、電子インボイスの標準仕様について協議を重ねてきた。
2023年10月の適格請求書等保存方式(インボイス制度)開始に向けて、中小・小規模事業者から大企業に至るまで幅広く、容易に、かつ低コストで利用でき、加えてグローバルな取引にも対応できる仕組みとするために、準拠する標準規格としてPeppolを選定した上で、日本の法令や商慣習などに対応した「日本標準仕様」を策定することを決定した。
EIPAは電子インボイスの日本標準仕様策定に向けて、政府からの全面的な協力を要請しているという。要請内容には、Peppolの運営管理組織である「Open Peppol」との交渉などについて政府が積極的な役割を担うことやPeppolの枠組みで日本標準仕様に関わる適切な管理・運用体制を政府が構築すること、電子インボイスの普及・活用に向けて事業者が利用しやすい仕組みを設けることなどが含まれる。
また、12月14日、平井卓也デジタル改革担当大臣へEIPA代表幹事の岡本浩一郎氏、SAPジャパンの内田士郎氏らが訪問し、電子インボイス標準仕様の検討・要請内容を提言し、意見交換を行ったとしている。
EIPAは、2022年秋に事業者が電子インボイスに対応したソフトウェアを使用できる状態になることを目指しているという。今後はPeppolが定める標準規格について詳細な調査、分析を進めるとともに、日本標準仕様として必要な追加要件を整理し、2021年6月末を目途に電子インボイスの国内標準仕様(初版)の策定と公開を目指すとしている。
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