米現地時間3月17日、オラクルは「Oracle Autonomous Data Warehouse」に新機能を追加したことを発表した。最新機能は、各部門のシステムから企業のデータ・ウェアハウスやデータ・レイクを含むソースから、様々な解析ワークロードを実行するデータを取り込み、変換、保管し、管理するための単一のデータプラットフォームを提供するとしている。
また、シチズン・データ・サイエンティストやアナリストは、セルフサービス型のグラフ・モデリングやグラフ・アナリティクスを利用することができるという。データ駆動型アプリケーションを構築する開発者向けには、データ・ウェアハウス・クラウドに直接組み込まれたローコード・アプリケーション開発ツールである「Oracle APEX(Application Express)Application Development」や、最新アプリケーションをウェアハウスのデータと連携できるRESTfulサービスを提供している。
さらに、Oracle Autonomous Data Warehouseは、JSONドキュメント、データ処理、解析、グラフ、機械学習、ブロックチェーンなどのデータベースやサービスをすべて単一の最新コンバージド・データベース・エンジン内で利用可能で、マルチモデル、マルチワークロード、マルチテナントの要件に対応しているという。
Oracle Autonomous Data Warehouseの新機能
ビルトインのデータツール
データをロードし広くチームでコラボレーションを可能にするシンプルなセルフサービス環境をビジネス・アナリストに提供する。ノートパソコンやクラウドからドラッグ・アンド・ドロップで簡単にデータをロードし変換することが可能だという。その上で自動的にビジネスモデルを作成し、例外や外れ値、データ内の隠れたパターンを迅速に見つけ出し、データ依存性や変更の影響を把握できる。
Oracle Machine Learning AutoML UI
機械学習モデルの作成における時間のかかる手順を自動化することで、AutoML UIの自動機械学習用のノーコードのユーザー・インターフェースにより、データ・サイエンティストの生産性を高め、モデルの品質を向上させ、専門家でなくても機械学習を活用できるようになる。
Oracle Machine Learning for Python
データ・サイエンティストやPythonユーザーは、Oracle Autonomous Data Warehouseの性能、並列機能、30を超えるネイティブな機械学習アルゴリズムを活用し、Pythonを利用して機械学習をデータ・ウェアハウスのデータに適用できる。
Oracle Machine Learning Services
DevOpsやデータ・サイエンス部門はデータベース内のネイティブモデルやONNXフォーマットの分類や回帰モデルをOracle Autonomous Data Warehouseの外で展開、管理できるようになり、コグニティブテキスト解析も呼び出せる。
Property Graphのサポート
グラフはエンティティー間の関係のモデリングや解析に役立つという(SNSグラフなど)。データ・ウェアハウス内でグラフを作成し、PGQL(property graph query language)を使用してグラフクエリを実行し、60以上のインメモリ・グラフ解析アルゴリズムによりグラフを解析できるようになる。
Graph Studio UI
プロパティグラフ機能に追加されるGraph Studioにより、初心者でもグラフ解析を行うことができるとしている。これには様々な用途に対応するグラフモデル作成の自動化、ノートブック、統合された視覚的表示、あらかじめ内蔵されたワークフローなどが含まれる。
データ・レイクへのシームレスなアクセス
以下の3つの新しいデータ・レイク機能により「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)Object Storage」および一般的なクラウド・オブジェクト・ストアのデータに対するクエリ機能を拡張する。
- 「Oracle Big Data Service(Hadoop)」のデータを簡単にクエリできる機能
- 「OCI Data Catalog」との統合によるオブジェクト・ストレージでのデータ・ディスカバリーの簡素化と自動化
- オブジェクト・ストレージの大規模データ・セットに対するクエリを高速化するスケールアウト処理
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