日立製作所(以下、日立)は、Afterコロナを見据えたニューノーマル社会でのイノベーション創出のあり方を「業界・空間・時間を超え、知恵やアイデアをつなぐ」ことと再定義し、その実現に向けたサービス・協創空間を「Lumada Innovation Hub」として体系化。そのフラッグシップ拠点として「Lumada Innovation Hub Tokyo」を4月15日に開設することを発表した。
Lumada Innovation Hub Tokyoは、日立の「協創の森」や大みか事業所などDX(デジタルトランスフォーメーション)の最前線となる協創施設や多様な人財と、顧客やパートナー、スタートアップ企業など業界を越えたステークホルダーをバーチャルとリアルでつなぎ、知恵やアイデアを掛け合わせることで価値創出を活性化するとしている。
また、このような取り組みを推進するために、グローバルでのDX推進やエコシステムのコラボレーションで多くの実績を有するキー・オピニオン・リーダー2名を社外から招聘するという。
Senior Principalに就任する加治 慶光氏のコメント
これまで、「越境し、接続する。」ことで既に大きな成果をあげているLumadaムーブメントは、Lumada Innovation Hub Tokyoの開設により、次のレベルに突入すると言えます。物理的・時間的制約を超えた多拠点就労が実現できることにより、Lumadaのエコシステムのパワーは加速的に増大し、想像だにしなかったイノベーションが生み出されることでしょう。リアルタイムでスタートアップの経営に参画する私にご縁をいただいたこと自体が、「越境し、接続する。」ことに日立が本気である証明であり、今まで官・民・学で培った経験を駆使して貢献したいと考えています。
Lumada Innovation Evangelistに就任する澤 円氏のコメント
日立の持つ幅広いテクノロジー、Lumadaの持つ可能性を世の中に広める大役を与えていただき、非常に興奮しています。テクノロジーは世の中をよくするものだと信じて、テック業界でキャリアを積んできました。今までの蓄積が日立で生かせることがとても楽しみです。今後、Lumadaアライアンスプログラムのパートナー、Lumada Innovation Hub Tokyoに集まるステークホルダーの皆さまとともにDXの実現へ取り組んでいきたいと考えています。
Lumada Innovation Hub Tokyoの設計コンセプトは、人々の豊かな営みを、時空を超えて一双の屏風に描いた「洛中洛外図」。ここに集う様々な才能がDXを通じて生み出す多彩な価値をひとつにつなぎ合わせることを象徴する「すやり霞」をデザインモチーフに、対話による発想や閃きなどを促しイノベーションの創出を支える物理空間と情報環境を用意しているという。
具体的には、オンラインでも利用可能な5つの協創空間「Meet-Up Square」「DX Gallery」「Co-Creation Studio」「Mirai Atelier」「Incubation Base」を提供し、ビジョン構築からビジネス化までの協創プロセスを支援する。また、これらの協創空間では、日立がコロナ禍において試行し培ってきたビジョン構築やアイデア創出などの協創プロセスのデジタル化のノウハウを駆使することで、議論を深めるFace to Faceを含めたリアルだけでなく、イノベーション創出を迅速化するバーチャルを組み合わせた最適なハイブリッド環境を提供し、レジリエントなコミュニケーションを支えていくとしている。
たとえば、大みか事業所、Lumada Center Southeast Asiaなどの日立グループ拠点やLumadaアライアンスプログラム参加パートナーのDXの現場をつなぎ、バーチャル工場見学や実証実験へのリモート参加を実現することで、より具体的な議論を可能にし、迅速に協創を進めることができるという。さらに、協創空間で開催するワークショップでは、社会の将来変化を捉えたビジョンデザインのフレームワーク25のきざしを活用することで、過去のデータからでは予測が困難な未来を洞察し、PESTの視点(P:政治、E:経済、S:社会、T:技術)で人々がどのような問題を抱えニーズをもっているかを考え、将来に向けて取るべき選択肢を導き出すことが可能だとしている。
今後、Lumada Innovation Hubのコンセプトに則した協創空間を国内外に設置し、グローバルなパートナーとつなぐことで、イノベーション創出を活性化し、人々のQoLの向上と社会・経済の持続的な発展に貢献していくという。
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