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次なる仮想化ポイント「ストレージ仮想化」

あらためて理解する仮想化のメリット

サーバ仮想化から始まった「仮想化」技術の流行は、現在どのようなトレンドになり、どのような方法でメリットを生み出しているのか。一言に仮想化といっても、様々な商品が次々と発売され、様々な仮想化の方法が存在する中、選定や理解は日々難しくなっている。そこで、本稿ではまず基本的な概念まで掘り下げて解説を行い、各レイヤーでの仮想化技術や、そのメリット、最新の仮想化市場の動向について紹介していく。

仮想化とは

 現在、サーバ仮想化に代表されるように、インフラを構成するさまざまな要素の仮想化が注目されている。仮想化とは、ハードウェアからシステム(ソフトウェア)を分離することによって、ハードウェアの物理的な仕様に依存せず、仮想的なリソース単位で自由に効率よくインフラを構成する技術である。

 近年、仮想化のマーケットは、ワールドワイドで飛躍的な伸びを続けている。米国のある調査によると、2007年に仮想化技術に投資する企業のパーセントは74%にものぼり、その投資額も前年と比べて10%近く増加している。日本においても同様のトレンドを示しており、特に2006年以降仮想化に対する注目は、非常に高まっている。

 これは、仮想化の価値が単なるインフラ統合の手段から、インフラ管理の手段として認知されてきた事が要因になっている。一部のシステムの統合や、テスト・開発環境などでの評価検証フェーズから、ITインフラの一つの仕組みとして本番環境での実装フェーズに入ったのである。

管理面から見た仮想化の意義

システムのオープン化から始まった

 インフラ管理の大きな流れの変化として、システムのオープン化があげられる。オープン系OSの登場によって、専用システムからオープンシステムへの移行が進み、システムの要件や予算に応じてハードウェア・OS・アプリケーションなどをある程度自由に選定することが可能になった。また、オープン化による競争の原理が働き、ハードウェアやソフトウェアの高性能化・低価格化が進み、業界全体が大きな進化をとげた。従来の専用システムと比較するとオープンシステムはユーザーの選択の幅を広げ、今日ではITインフラの主流となった。

 しかし、選択の自由が広がる分、システム全体の性能を見極めるのが難しい一面も併せ持っていた。第一に、システムのサイジングを行う際は、ピーク時にあわせるか、余裕を持てる容量にあわせるため、CPU、メモリ、ストレージ等に余剰リソースが生まれやすく、更にハードウェアの高性能化・大容量化も重なり、投資したリソースに対する使用率が顕著な問題として現れた。第二に、オープン系システムは、構成される要素の相互接続性やOSのサポートを前提になりたっていたため、ハードウェアの物理的な仕様や制限によって、システムが柔軟性を欠く事があり、運用の負荷やコストの増大につながった。

ハードウェアの統合

 オープンシステムの登場に続き、サーバおよびストレージのハードウェアによる物理的な統合ソリューションが登場した。Blade ServerやStorage Area Network(SAN)などのソリューションがこれにあたる。ハードウェアによる統合は、管理ノードの削減や省スペース化には、一定の効果が期待できたが、統合方法がハードウェアレベルに留まるため、リソースはそれぞれのシステム単位で分割され、ハードウェアの物理的な仕様や制限を解消することは出来なかった。つまり、ハードウェアの統合では、投資や管理コストの最適化やリソースの有効活用は困難であった。

そして仮想化へ

 こういった背景の中、インフラ管理の新しい手法として仮想化が注目され始めた。仮想化によるインフラ統合は、ハードウェアによる物理的な統合とは、リソース管理の面で大きな違いがある。

 仮想化によって、システムはハードウェアの物理的な仕様・制限から開放され、インフラの管理や運用はより柔軟になる。更に、複数のシステムでリソースを共有し効率よく使う事ができるようになるため、余剰リソースの有効活用も可能になる。

 ハードウェアによる統合は物理的なハードウェアの共有であったが、仮想化による統合はリソースの共有というまったく新しいインフラ管理を可能にした。

インフラ管理の流れ
インフラ管理の流れ

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仮想化のメリット

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この記事の著者

片山 崇(カタヤマ タカシ)

データコア・ソフトウェア株式会社  取締役 兼 セールス・マーケティングマネージャー成蹊大学法学部卒。アルゴ21において仮想ストレージ、SAN、バックアップ、災害対策、ストレージアセスメントなどのストレージソリューションの営業を幅広く経験。現在、仮想ストレージベンダーであるデータコア・ソフトウェアにて、様々な業種の...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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