SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine Press

『アジャイルソフトウェア要求』著者 レフィングウェル氏が語るリーンな開発手法の全体像


 アジャイルの開発手法を、高度化、大規模化するソフトウェア開発プロジェクト向けに拡張する方法論を提唱している ディーン・レフィングウェル氏。今回新著『アジャイルソフトウエア要求』の日本版刊行に合わせて来日した。

UMLの伝道師からアジャイルへ

『アジャイルソフトウェア要求』(Dean Leffingwell著 翔泳社刊)
『アジャイルソフトウェア要求』(Dean Leffingwell著 翔泳社刊)

 ディーン・レフィングウェル(Dean Leffingwell)氏は、「ソフトウェア要求」に関する第一人者。現在はIBMのRational事業部となったRational Softwareの副社長として、UMLやRUP(ラショナル統一プロセス)などの普及もおこなってきた、この道30年のベテランである。

 日本では『ソフトウェア要求管理』(ピアソン)や『アジャイル開発の本質とスケールアップ』(翔泳社)などの訳書があるが、このたび新刊として『アジャイルソフトウェア要求』(翔泳社)が発行された。

 「2001年にRationalを辞め、いくつかのスタートアップ企業に経営として関わった。その中のひとつがRally Software。アジャイルやリーンによるソフトウェア開発方法論のコンサルタントとして多くの企業に関わってくる中で、たとえ小さな企業であっても、自分が培ってきた方法論によって、開発の規模を格段にスケールアップさせることができ、品質を向上させることができることを確信した。」(レフィングウェル氏)

ディーン・レフィングウェル氏 (Dean Leffingwell)
ディーン・レフィングウェル氏 (Dean Leffingwell)

 以後、レフィングウェル氏は、BMCソフトウェア、ノキア、CAなどで大規模開発のコーチングを行う中、2年かけてアジャイルのスケールアップ化に注力した。その成果が『アジャイル開発の本質とスケールアップ』である。

 こうした活動の中での知識やドキュメントを体系化し、ソフトウェアプロダクトのマネジメントの役割の連携や相互依存の関係について記述し、アジャイル開発の中でプロダクトのマネジメントを完了していくことや、コンテンツの決定をおこなう役割について提案していく中で、「アジャイル要求の全体像」(Big Picture)がまとまった。この全体像にもとづくフレームワークが Scaled Agile Framework」(SAFe)である。これによりアジャイルによる開発プロジェクトを経営者に理解させることが可能になったという。

 「SAFeのルーツは、アジャイル開発、リーン、プロダクト開発フローなどの開発のプラクティス。これらをエンタープライズの大規模開発に適用できるようにまとめていく中で、全体像が見えてきた。2012年のカンファレンス”Agile2012”で議論し、賛同者を得てSAIという会社と一緒にフレームワークとして公開した。」(レフィングウェル氏)

 全体像ができたことで、経営者とソフトウェア開発プロジェクトに関するコミュニケーションも可能になった。既知の領域では適用できていたアジャイルの手法も、未知の大規模プロジェクトに適用するには、非常に難しい判断が伴う。投資効果、生産性、リソース、要求についての様々な経営的な判断が求められる。アジャイル方法論の導入の最大のネックはここにあると、レフィングウェル氏は言う。

 「通常、スクラムであれば、スクラムを導入した後の企業の姿というのがわからない。その点が導入の障害になる。全体像があれば、導入した後の企業の姿がこうなり、このような価値が生まれるということを経営者や役員が理解できる。」(レフィングウェル氏)

 こうして完成したSAFeをSAI社が商用化し、コースウェアや教材を開発しライセンシングをおこなっている。現在、日本ではオージス総研がパートナーとしてトレーニングなどを提供している。

次のページ
Scaled Agile Frameworkの全体像

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

翔泳社 メディア事業部。同志社大学卒業後、人材採用PR会社に就職後1994年から翔泳社に参加。以後、翔泳社の各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在は、嘱託社員の立場でEnterpriseZineをメインに取材・編集・書籍などのコンテンツ制作に携わる。 趣味:アコギ、映画鑑賞。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/5582 2014/02/10 13:48

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング